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銀杏並木とこの国の将来

 北大の銀杏並木を見に行ってきた。

 毎年必ず、訪れることにしている。何年来の年中行事になっただろうか。

 ワタクシは、札幌に生まれて主に札幌に育ったのだが、残念ながら若い時分の努力が足らず、北大に通うことはできなかった。こんなに環境に恵まれた大学なのに、もったいないことをした。すべては自分の努力の至らなさであるが。

 だからという訳ではないが、黄葉の季節にはキャンパスを歩かせてもらっている。

 毎年、どんなに遅くとも11月3日までに行かなければ、美しい黄葉は見られないと思っていた。だから、天気予報と自分のスケジュールとを見つめながら、いつ時間を作れるかが大きな問題だったのに…
 今年は11月5日。それなのに、金色の銀杏は美しかった。

 季節の歩みが遅いのだ。
 美しい銀杏を愛でられたことは喜ばしいが、温暖な時間が長いこの街、この国、この星が心配になってきた。

 この国の心配と言えば、こんなこともあった。
 大学の構内を散策していたこともあり、若い女性の二人連れの近くにいたときに、ふと、彼女ら(正しくは、彼女のうちのひとり)の声が聞こえてきたのだ。

「え? ゴリラって哺乳類?」
(それに対するお連れの返答)
「え? 犬も哺乳類?」
(それに対するお連れの返答。この返答で、発言者は大学生だとわかった)

 ワタクシは切に願う。
 この会話がゲームの世界が妄想の世界か、物語の世界の話でありますことを。

 ところで、黄葉の北大散策では一昨年から必ず参っている樹がある。

 文学部の前にあるこの赤い樹を、ワタクシは勝手に「ジョゼフィンお嬢さんの樹」と呼んでいる。
 燃えるような赤は、ジョゼフィンお嬢さんの色なのだ。これまでの年月と同じように、これからもこの樹が元気でここに立ち続けますように。

 そう、散策ついでに久し振りにお気に入りの店で食事をした。

 2年振りくらいだったけれど、相変わらず大満足させてくれた。
 無水カレーが抜群においしいこの店は、「ROGA」という。

 来年もまた、黄葉をめでることができますように。

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