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化学物質過敏症だけど新型コロナワクチンを接種した話(2)

 ワタクシは化学物質過敏症発症者で、それ由来で喘息持ちとなった。だが、化学物質を全否定していない。確かに、安全性を軽視した商品があり、常識を逸脱する過剰な利用の仕方もある。実際、ワタクシもそれにより発症し、最終的には仕事まで失った(まあ、きっかけであってほんとうの理由はもう少しややこしかったが)。
 しかし、現代社会において、化学物質のない生活はできないと思っている。だから、幸運にも自分が軽症なこともあり、何とか回復して化学物質と折り合いを付けた生活を取り戻すことを目指している。目標は、「臭いものは臭いが、それにより体調不良にならない」だ。

 コロナ禍になってからのステイホームで曝露する機会が減ったからか、日々の小さな取り組みが実を結んできたからか、ここ数ヵ月は体調がよい日が続いていた。そんな頃、ワクチン接種が現実味を帯びてきた。

 これまで、過敏症発症後もインフルエンザワクチンを接種してきた。過敏症のかかりつけ医に、「問題ない」と言われている。事実、副反応が出たことはない。
 今回も最初から受けるつもりでいた。ただ、mRNAという新しいタイプのワクチンであることが気掛かりだった。

 自分でいろいろと調べた結果、コロナ罹患による重篤化のリスクを考えると、喘息患者は接種が望ましいらしいとわかった。そして自治体の基礎疾患枠で申し込みをし、予想よりも早く接種券を入手することができた。

 それから、二人のかかりつけ医にワクチン接種について相談した。

 通院歴2年の過敏症のかかりつけ医は、国産ワクチンを待った方がいいかもしれないというご意見だった。

 今回のワクチンにはポリエチレングリコールという添加物が含まれている。化粧品にも使用されるものだ。過去に化粧品にかぶれた経験はないか問われ、一度だけ化粧水で発赤を起こしたことを思い出した。13年ほど前のことだ。

 その化粧水には柘榴のエキスが含まれていた。当時、ワタクシはマンゴーにもアレルギーを起こしていたので、柘榴にかぶれたと解釈していたが... 今となってはわからない。しかし、化粧品にかぶれたのは、そのとき一度だけだった。

 その話をすると、過敏症のかかりつけ医は、今回の接種は見送り、3月リリース予定(相談時点)の国産不活化ワクチンを待ってはどうか、とおっしゃった。

 3月か... まだ9ヵ月もある。
 ワクチン接種率が高まれば、人の動きも交流も活発に戻ってくる。今まで通りの感染対策をどれくらいの人が継続するだろう。
 制限なしの会食が解禁されても、友人と会うのもままならない状況が続くことになる。それに、状況が許せばまた仕事をしたい。時流を見ていると、新たに組織に属するにあたって、ワクチン接種が条件にもなりかねないと感じていた。法で規制しても、おそらくそういうところが多くなるに違いない。

 悩む... 
 あれっきり一度もアレルギーを起こしていない化粧品だが、どのくらい影響するのだろうか。

 そして、通院歴30年の、ワタクシの体質と食物・薬剤アレルギーを全て把握しているかかりつけ医にも相談した。インフルエンザワクチンもここで打っている。 
 薬剤アレルギーと言えば、ワタクシはバリウムとナウゼリンという胃薬でアレルギーを起こしている。こちらの医師は、

「バリウムもナウゼリンも、今回のワクチンには関係ないね」

化粧水の件については、

「それから起きていないのなら、気にしなくても大丈夫でしょ。体調も関係するし。それよりも...」

 次の話が決め手になった。

「オリンピックの後にデルタ株で必ず第5波が来るから、少しでも早く打っておいた方がいい。生き延びるために、絶対に今回打っておきなさい」

 仮に接種後の経過観察時間にアナフィラキシーショックを起こしても、集団接種会場での対応は万全だとおっしゃった。

 「生き延びるために」という、重い言葉。それだけ次の波は苛酷になると予想されるのだろう。

 どちらを信用するのか、ということになってしまったが、ワタクシは30年来の関係を信じて、ワクチン接種を決めた。

 ちなみに、本日1回目接種日の翌日。腕の痛さは増しだるさも増したが、夜になって少し楽になってきた。

 

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