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自分の知られざる癖を知ったとき

最近、自分に歯を食いしばる癖があるということを知った。正確に言うと、口を閉じている時に歯もぴったり引っ付けるという癖だ。
なぜ今更知ったかというと簡単な話である。それが特別なことだとはまったく思っていなかったからだ。例えば、髪をいじる癖がであれば、周りの人と比較して自分は髪をいじる回数が多いなとか分かる。ところが、口を閉じている時に歯をどうしているかなんて透視しない限り分からない。

一般の人が歯を離していると知ったのは、母か誰か、健康関連の情報収集をよくする人に「口を閉じてる時に歯を引っ付けてる人がいるらしい!」と、さも珍獣のように言われたのがきっかけだ。
「え、私、歯を引っ付けてるよ」と言ったら、珍獣発見みたいな顔をされた。
曰く、口を閉じてる時に歯も閉じてる人は食いしばりとなっていて、歯や顎が痛みやすいそうだ。「今すぐ改善した方がいい!」と言われた。

因みに調べてみると、TCH(Tooth Connecting Habit)というらしく、ものすごい珍しいというわけではなさそうだった。
原因は、うつむいた状態でのPCやスマホ作業であったりストレスだそうだ。
うーん。PCやスマホは人並みくらいしか使用していないはずだ。スマホは意識して使わないようにしているし、PCもそこまで使っていない。もしかしたら今よりもっと使っていた会社員時代に身に着いた癖なのかもしれないが、その時ですら普通の会社員と同じくらいであったはず。

ではストレスか。ところが自分は大分のんきにできていて、「ま、なんとかなるでしょ」という楽観視の達人なのである。
ストレスと結びつかないのが正直なところ。
いやでも待てよ。そこでふと思い出されたのが、知り合いのことである。
その人はふわふわしていて、「ストレスってなぁに?」と言ってそうなのんびりした人。よくよく聞くと置かれている環境はなかなかストレスフルな感じではあるものの、本人はそれをストレスとはとらえておらず、相変わらずふわふわと受け止めている感じだった。
ところがある時、円形脱毛症になってしまったのだ。その時思ったのが、本人がストレスと認識できていなくても、体はちゃんと正直に受け取るんだなということ。

私が今置かれている状況は、実際のところ、その人のようにストレスフルなものではないし、家族を含め他の人が見てもストレスないものだろう。
でももしかしたらずっと前にストレスを抱えており(まったく感じていなかったけれども)、それから癖になって力を抜けなくなってしまっているのかもしれない。
今日も、美術館の監視員のバイトで、お客様がまったく来ないなかぼーっとしているだけだったのに、気付いたら歯を閉じて、なんなら力が入っていた。
歯や顎を守るためにもリラックスして力を抜くということを早急にしようと思ったのだった。力を抜きすぎて、今以上に腑抜けになるのが少し心配だが。

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