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就活の話~地方×文系大学院生⑩面接で困った質問と感想~

昨日も書きましたが、ようやく就活が終わりました。
長い戦いでしたが、内定をいただいて一安心しています。

そんな私が面接でされて困った質問についてまとめようと思います。
大いに主観的な内容になりますが、参考になれば幸いです。

前提として、「地方在住の文系大学院生が、東京で就職しようとしたらよくされた質問」です。
それではどうぞ。

1.「なんで~~~しないんですか?」系

例1-1)
なんで〇〇(地元/大学がある地域)で就職しないんですか?

私の周りでは地元に留まらない人が多数派のため、こんな質問をされるとは思っておらず面食らいました。
エージェントによると「東京で働いた方が成長の機会が多い」と答えるのが望ましいらしく、そう答えていました。

本音は友人・知人が東京に多いから、人生で一度は東京に住んでみたいからというふわふわしたものでしたが、そういうのはよくないらしいです。
東京に集中している業界・職種もあるので、なぜと聞かれても困るのですが…というか東京で就職したい理由を知って何になるんでしょうか。

例1-2)
なんで〇〇(自分が受けていない業界や、専門分野に関連する業界)じゃないんですか?

なんでって言われても、一言で言えば興味がないから…なんですけどね。
私はフランス語が趣味なので、「フランス語を活かす仕事に就こうとは思わなかったの?」という質問もよくされました。

多分「なぜ当社なのか、なぜこの業界なのか」が知りたいんだと思うのですが、じゃあそう聞いたらよくないですか?
他を選ばない理由をいくつ並べても、そこを選ぶ理由にはなりません。

あと、「〇〇系の大学院なら~~に就職する人が多いと思うけど、なんでそうしないの?」と聞かれて、その前提が全然当たっていなかった時も困りました。
その前提どこから来た…どこからどう説明すればいいの…ていうかなぜ断言口調…と困惑してしまい、歯切れの悪い回答をしてしまいました。

「こう思ってるんだけど、合ってる?」と確認しながら話してくれれば答えやすいのですが…。

2.「大丈夫です」としか答えようがない系

例2-1)
総合職でいろいろな仕事をやってもらうけど大丈夫ですか?

総合職採用であることは説明会で聞いていて、納得してるから受けてるんですけど…。
以前も書きましたが、総合職の中で特に興味のある仕事を聞かれて答えた後に、「うちは総合職なので他にもいろいろやってもらうけど、大丈夫?」と聞かれた時は困りました。

ただ、ある面接の際、「好奇心が強い方で、院でも他学科の講義を取ってきた」、「今の専門分野もたまたま出会ったものだが、やっていく内に面白くなったので、なんでもやってみる姿勢を大切にしている」などと付け加えたら響いたようでした(2つとも本当です)。
エビデンスを添えると安心するのでしょうね。

例2-2)
東京に住むの大丈夫ですか?

1-1とセットで聞かれることが多かったです。

「地方の人が東京に来るとスピードについていけないってストレスを溜めることがあるんだけど…大丈夫?」など、地方との環境の違いについて心配されているようですね。
実際のところは住んでみないとわからないので、「大丈夫です」以外に答えようがありませんでした。

例2-3)
夏に外歩いて営業するの大丈夫ですか?

2-2と2-3の合わせ技みたいなやつです。
「うちはこんな仕事してもらうけど大丈夫?」+「東京の夏は暑いけど大丈夫?」ですね。

何回も言ってますけど、業務内容については説明会で聞いたし、東京の夏が暑いのも就活で東京に来ているからわかってます。
そんなに気になるなら生まれ育ちが東京でインターンに来た人だけ採用すれば?と思ってしまいます。

3.意図がわからない系

例3-1)
なんで修士に行ったんですか?

もっと深く学びたかったので…と答えていましたが、他にどんな理由があるんでしょう?
確かに文系修士は少ないので、何かそこからパーソナリティを知りたいのかもしれませんが…、その聞き方じゃわからないと思います。

例3-2)
将来どうなりたい?

抽象的過ぎて、何を聞きたいのか全然わからないです。
「人生における夢」とか、「キャリア上の目標」とか、「理想の人物像」とか、「ライフプラン」とかいろいろ切り口がありますよね。

「将来」と言われても、5年後なのか10年後なのかもっと先なのかもよくわからないし…何年後のことなのかによって、答えは変わります。
回答の自由度を上げるためにあえて抽象的にしているのかもしれませんが、答えづらいのでもっと条件を限定してほしいです。

例3-3)
大学院で学んだことで仕事に役立つことはなんですか?

これも抽象的過ぎます。
物事に取り組む「姿勢」なのか、PCや語学の「スキル」なのか、学んできた「知識」なのか、それとも他の何かなのか、判断できません。

相手に意味を確認すればいいじゃないかと思う人もいるでしょうが、なぜか企業の偉い人は質問の意味を聞き返すと不機嫌になる方が多いので、あまり聞き返したくないんですよね…。
だったら聞き返す必要が無いよう、できるだけ具体的に聞いてほしいです。

4.聞き方に気を遣ってほしい系

例4-1)
なんでまだ就活してるんですか?

今年の就活では早期内定を出す企業が多かったらしいですが、その影響か、6月から頻繁に聞かれました。
内定があって就活を続けている場合は自分のこだわりについて、無い場合は冷静に自分を振り返ることができているかを知りたい質問らしいです。

でもね、その説明を聞いても、私はやっぱり納得できません。
何度も書いてますが不採用だった理由は企業側しか知らないので、正確な理由は本人にはわかりません。
なんで内定が出ないのかなんて、本人が一番知りたいです。

内定が出ているけど続けている人ならともかく、無い人にとってはちょっとしんどい気持ちになる質問であることは容易に想像できるはずです。
だからこそ、聞くなら聞き方を工夫してほしいなと思うわけです。

私の場合、いろいろと話して互いに話しやすい雰囲気ができてから「一応聞きたいんだけど…」という感じで聞かれた時はすんなり答えられました。
こちらの気持ちもほぐれていましたし、さっぱりした口調で聞いてもらえて、話しやすかったです。

しかし、ある面接では、開口一番にこの質問をされました。
その上、これまでの就活について根掘り葉掘り聞かれ、挙句の果てに呆れたような態度を取られ…。
言うまでもないことですが、不快でした。

就活の経緯について聞かれたこと自体は気にしていません。
私は就活の序盤と終盤で見ていた業界が違うので、どうしてその変化が起こったのかを知りたかったのかもしれないと思っています。

でも…「〇〇業界を見ていた時はどういうことを考えていたの?」という質問の繰り返しで、断片的な話しかできませんでした。

変化の過程について知りたいなら、「どんな風に変わったの?」とか、過程そのものを尋ねてくれないと答えられません。
質問とずれた回答をしたり、聞かれてもいないことを勝手に話したりするわけにはいかないでしょう?

質問の仕方からして私とかみ合わないのは明らかだったし、あの時点で面接を切り上げて帰ればよかったとすら思っています。

例4-2)
なんで研究者にならないんですか?

いやほんとこれだけは言わせてもらいます。

なろうと思えばなれると思ってるんですか???

このnoteにも書いたように、研究者になるっていうのは、それはそれは厳しい道のりです。
多くの院生が一度は博士課程への進学(=研究者になること)を考え、断念します。

偏見ですが、こういう質問をする人は小中高大でピアノを続けた人に「なんでピアニストにならなかったの?」と聞き、甲子園に行った人に「なんでプロ野球に行かなかったの?」と聞くんだろうと思います。

もっと研究者やピアニスト、プロ野球の世界について理解しろと言ってるんじゃないです。
もっと見知らぬ他者の人生に対する想像力と敬意を持てと言ってるんです。

何かを極めようとした人なら知っていることでしょうが、その道の一人者になるのはとても難しいことです。
なりたくても、様々な要因(お金、環境、体調、才能etc)によって断念せざるを得ないことだってあるでしょう。

何かを諦めたり挫折したりした体験は当然ながらつらいものでしょう。
もしかしたらまだ葛藤していて、他人に話せるほど心の整理がついていないかもしれません。

選ばなかった道とその道を選ばなかった経緯について、ついさっき知り合ったばかりの面接官に話すと思いますか?
尋問口調で「なんで〇〇にならなかったの?」って聞いて、本音を引き出せると思いますか?

別に聞いてもいいですけど、面接用に加工した回答しか返ってきませんよ。
人間性を知るという面接の目的からは結果的に離れます。

その人のことを知るために、その人が下した重大な決断について知りたいという発想はわかります。
でも、人の人生のデリケートな部分なので、そこはやっぱり気を遣ってほしいですね。

5.まとめ

面接の目的ってその人について知り、自社で働くための素養や人格が備わっているかを確かめることだと思います。
相手の人間性を引き出す雰囲気を作ったり、上手な問いかけをしたりするのも技術が必要ですね。

愚痴や文句も多い内容になってしまいました。
働いている人からすれば甘ちゃんな内容かもしれませんが、就活生はこんな風に感じるんだよってことを知ってもらえれば幸いです。
では。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。