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【本の紹介】酒場學校の日々 フムフム・グビグビ・たまに文學

昔ゴールデン街にあった(その前はまた別の場所にあった)学校という酒場にて、著者の金井真紀さんが会ったり元のママから聞いた人々の人物像を書き綴った本。一番の大本のお店は詩人の草野心平さんが開いたお店らしい。

お店のルーツが草野心平さんにあるせいか、ゴールデン街という場所柄のせいか、はたまたその相乗効果か。とにかく色々な人々が登場する。しかし、どの人も(最低一癖はあるが)とても魅力的である。なんというか、凄く昭和の粋な男達の香りがぷんぷんと漂ってくる。

残念ながら既に同店は閉店してしまっているが、こんな男達が集うようなお店が集うような酒場なら、是非足を運んでみたいと思わせる。それだけの魅力がある人々の人物像が、著者の金井真紀さんによってくっきりと浮き出すように書かれている。またママも実に魅力的だ。

行ったことは無いが、古いイギリスのパブもこんな感じなのかな?と、ふと想像してしまった。粋とダンディはやはり共通点が多いのではないか?と益体もない事を考えながら。

酒を呑まなくても十分楽しめる本だが、せっかく本書を味わうのであれば、手元にビールの一杯でも用意してちびちびとやりながら読むと、より楽しめる本書である。

しかし、金井真希さんは人物を描き出すのが実に美味い。近著のパリの素敵なおじさんも実に人物がそこに息づくかのように描き出されていた事を思い出した。

人間観察系の本や酒場の本が好きな方には是非読んで頂きたい好書である。


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