家族の話(1)幼少期

こんにちは。にわかあめです。
前回の予告通り、家族の話をしていきたいと思います。

幼少期、私が実父と過ごす時間は両親の別居後も時折ありました。音楽関係の仕事をしながら、実家の仕事を手伝って生計を立てていた父。母親と別居した後も、定期的に遊びに来てはどこかへ連れ出してくれたり家でのんびり過ごしたりしていました。

母親は父と別居してからしばらくして、同県内に住む母方の祖母の家の近くへ私と引っ越して仕事を始めました。その間私が12歳頃の時に認知症になり育児が難しくなるその日まで面倒を見てくれた祖母には、本当に感謝しています。厳しいけれどとても優しく、真面目で芯の強い人でした。

祖母の家のすぐ裏手に自分達が住んでいるアパートがあったので、母親の帰りが早い日は迎えに来て翌日保育園に私を送り出してくれていました。時々「今日は帰れない」なんて日があるのも、今では母親の仕事上(定時20時)有り得ないのですが、子供なので疑わずに祖母の家で過ごしました。
祖父はというと、私が生まれる丁度一年ほど前に心を病んで自ら命を絶っています。なので私は、写真でしかその顔を見たことがありません。

そんな生活を送っていたある日、まだ小さかった当時の私の前に知らない男を連れた母親がやってきて言いました。

「○○さんっていうの。××(私)のお父さんになるかもしれない人だよ」

この時は、子供ながらに「お父さん」という単語に違和感を覚えました。

お父さんならもういるじゃないか。今だって時々遊びに来るし、色々な場所にも連れていってくれる。一緒に住んではいないけど、私のお父さんはあの人だ。
そう思ったのに、なんとなく言えませんでした。上手い言葉が見つからなかったのでしょうし、当時保育園児だった私に異性の付き合いなど理解出来なかったのだと思います。


その人は時々やってきて、私とも遊んでくれましたが
ある時突然、来なくなりました。


それから2年ほどが経ち、小学校に上がる時。
母親はまた知らない男を連れてきました。


しばらくして、その人は重い心臓の病気を患っていた事が分かりました。治療を行ってはいましたが、その翌年辺りには帰らぬ人となりました。

数年後に聞いた話ですが、母親が彼の葬儀に参列した際
子供と奥さんがいた事が分かったそうです。


「お母さん、もうあなたと二人でいい。あなたがいればそれでいいから、2人で頑張ろうね」

涙ながらにそう言っていた母親に、私は勿論だと頷きました。訳の分からない男を連れ込まれるより、今の環境のままが良いに決まっていると。


しかし、私が10歳になろうとしたその頃。
突然、ヤツは現れました。


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幼少期までの話は以上です。
つらつらと無機質に書いていくつもりなのですが、何か質問があればコメント欄でお願い致します。可能な限り、お答え致します。

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