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読み放題対象「中国人に京都がアイされる理由」



そろそろ語るときがきたようだ。

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コロナも終わって(終わってないケド)、個人旅行客も入国解禁された。

コロナ中もじわじわと京都の異常な土地高騰が話題になり続けたが、なぜ京都を所有することは中国の富裕層を惹きつけているの?――私達の知らない現代中国の「日本」に向けられた(歪んだ?)愛情について書く。

というか、そもそもなぜ京都が中国人に人気ある観光地なのか。「え、魅力ある観光地だし、当たり前でしょ!?」という感じだが、実は、それほど当たり前でもない。

なぜって一時、話題になったが、「中国人」というのは、多くの「日本人」がそうであるように、本来、ヨーロッパ風の街並みが好きだ。

たとえばファーウェイの研究拠点(松山湖キャンパス)などは、莫大な資金が投入され、東京ディズニーリゾートよりも広大な土地に何を作ったかというと、欧州風のお城に、欧州の街並であり、それどころか輸入された黒スワンが泳ぐ欧州風の川辺の風景である。

見ての通り、最終的に3万人が働くことになるというファーウェイの新研究拠点は、ごちゃまぜのヨーロッパ風の(メルヘンチックでラブホテルみたいな)建物群が立ち並ぶ。さらに敷地内の12の駅を結ぶ電車の車体はなんだかスイスのレーティッシュ鉄道風である(中国製であるが)。なにが彼らをここまで駆り立てるのか、もはや狂気すら感じるほどである。

狂気を感じるとかいったが、この空間が、「刺激」や「癒やし」になり、多くのファーウェイ社員たちの研究意欲や創造性を掻き立てると経営陣が考えたから、多額の投資をして用意したわけである。つまり「こんな素敵な環境ならアイディアどんどん出てくるでしょ」であり、さらに付け加えるなら「ほらネ?こんな環境で働きたいでしょ」と有能な人間を集めるための投資なのである。

それほど、彼ら中国人にとっても欧州というのは、もはや「自分たち自身の理想の風景アヴァロン 」となっている。

そんな中、日本の古都の都市空間が強く愛されるのか。――彼らの「無意識」の選択について書いてみようと思う。実は彼らの欧州的空間への偏愛と、京都という都市空間が「中国人」たちを誘引する理由とは、密接な関係がある。


もちろん京都の不動産を中国人が買いまくっているとかいう話は、「経営ビザがほしいのだ」とか「コロナ終了後の観光需要を見据えている」、さらに「円安が進んで世界でも割安(こんな値段じゃ欧米のリゾートは買えないよ!)」という理由、あるいは素朴に「京都のファン!だから京都の土地を買う」なのだろうか。

実際、「大好きな日本文化を守りたい」といって、あちこちで「ぼろぼろのまま放置されていた」という「町家」を購入して、中国の富裕層むけのホテルや別荘に改装しようとしている中国人投資家もいる。こういう「使命感」に燃える中国系投資家や企業の人たちは最近でもテレビでよく紹介されているのでご存知の方も多いとおもう(最近でもTBSでも流れた)。

だが、こんなことをいうと、なんだか矛盾しているようだが、おそらく彼ら自身は、単なる建前ではなく、本当に「この素晴らしい京都が好き(日本人の代わりに、私が投資することで守りたい)」とか考えている。だが、その「大好き」は「日本人」が素朴に想像するのと全然異なる。そもそも、日本人からすれば、「中国にないような古い文化遺物があるから日本すごい!」とかいう誇らしいような見方が多いのだが、実はこれは大きな勘違いである。

すでに京都では御所周辺のみならず、市内全域でマンションが高騰していて、もう一般人には怖くて手が出せないよ!とか、プチバブルとかいわれている。いつのまにか京都の伝統的な旅館を複数所有する会社が、和風の名前なのに、代表がしれっと中国系の名前になってることが「ホラー」のように語られる。

ここにはもちろん「中国人がどうして京都の土地(あるいは日本の歴史的に価値ある地域)を狙って買うのか」――経済的な理由ばかり説明される。

だが、「円安でお得なので!」とか経済の都合でもなく、そして単なる「日本好き」でもない、彼らの一つの愛の形――やむにやまれぬ精神的な必然があるのだ。そう、貴方はもちろんご存知であろう、――人間は合理性や数字だけで動く動物ではない。むしろそんな風に考えている人間は「経済」を知らぬ人間である。

京都から知り合いが遊びにくると、一時期は、もはや定番ギャグのように「東京は日本人が多くて落ち着くよね!」的なことをいわれたりしたが、そんな彼らに、この中国人が京都を求める依存構造とははなにかを語ると「あ~!なるほど~!!!」といわれるのだが、それを書こうとおもう。貴方のモヤモヤをスッキリさせるニワカちゃんです。

なぜ中国人は京都を欲しがるのか。

彼らは「どのように日本をとらえているのか」、むしろ「願望としての日本」という問題も絡む。とりあえず言わなければならないが端的にいって――

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