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主に学問コンプレックスについてと1/4の港区散歩日記。

どうやら学問コンプレックスを持ってるようだ。

今更気付いた。

読書サークルに所属しているので周りに本を沢山読む人がいるわけだが、僕はあまり本を読まない。んでなんか「読まなきゃなあ」という焦りのようなものを抱えている。

同じサークルには筋トレしてる人や走ってる人も沢山いるが「筋トレしなきゃなあ」「走らなきゃなあ」とはそこまで思わないのに。

頭のイイ人に嫉妬するし、頭の悪い自分に怒りのようなものが湧く。この「嫉妬と怒り」こそがコンプレックスなのではないか。今日の日記ではとりあえずそう定義して話を進める。

本、読まなきゃ。

そう感じてレヴィ・ストロースなんかに手を出した。3ヶ月経ったが二章の頭まで読んだだけで止まっている。

その理由は「話、なげーよ」「君が沢山勉強したのはわかったよ」「いいから結論言えよ」とめんどくさくなってしまったから。

「お前なんかギャルに論破されて死ね」

そう呟いたときに、学問コンプレックスに気付くべきだったなあ。

学歴コンプレックスは持ってない。

「アタシは偏差値47の大学に補欠で入って卒業できませんでしたデュフフ」と40過ぎた今でもたびたび話してる時点でコンプレックスっぽくも聴こえるが、そこに「嫉妬と怒り」はない。

自主退学の届け出を中退仲間たちと一緒に提出した帰り道の姿は、俯瞰でみたらスタンドバイミーの映画のように僕の脳内には描かれる。

この経歴には、届けを出した瞬間から誇りを持っていたし大学6年間は大きな財産だ。だからこそ学問コンプレックスに今まで気付かなかった。

なぜ学問コンプレックスを持つに至ったか。

これは簡単。思い当たる歴史があるが、長い自分語りになるので読み飛ばして頂きたい。あくまでこれはコンプレックスをぶっ殺して供養するために書いている。

父親は教師、母親は田舎の小さな塾を開いていた。その最初の生徒として僕と姉と年上の従兄弟が入塾。僕は幼稚園で方程式を解いていた。とても楽しかった。なぜならどんどん出来るから。解るから。小学校のクラスでは「さんすう博士」と呼ばれた。僕は「算数じゃないよ、数学だよ」なんて威張ってた。姉や従兄弟よりも成績が伸びたのは僕が天才なんじゃなくて単に始めるのが早かっただけというのに気付くには頭が悪すぎた。小学校高学年で微積をやるようになると途端に分からなくなった。苦悶した。泣きながら母親に尋ねると「答え写すだけでもいいから」と言われて(当時、母親の指導力は足りなかった)泣きながら謎の写経を続けていた。恐らくこの時期に「頑張ることへの嫌気」と「間違った頑張り方」を履修した。
中学に上がり塾の教材が微積の向こう側に到達するともうガチで意味わからん。はいはい写せばいいんでしょってな具合に泣きもせず写経してたんだろうと思う。記憶がない。この頃になるともう勉強をやらなくなった。しかし幼児期から脳神経?は鍛えられてたのだろう。記憶力はあったので、それだけを武器に成績は学年トップだった。期末テストの日に勉強してないと言いつつ点数を取るやつがクラスにいたと思うがそれが僕だしガチで勉強してなかった。3年の頃には成績は5番手くらいに落ちていた。
高校受験、数学だけは好きだったので高専を希望したが親は公務員になって欲しかったようで普通科を強く奨められ断る力がなかった。幼児期からやることなすこと駄目と言われ続けて抗う力がなかった。小さな田舎から旭川の進学校にでるなら1番手の東高か2番手の北高じゃなきゃ駄目と言われ、成績の落ちてた僕にはギリギリの枠だったので120/300点取れば入れる地元の高校を選んだ。終わってみればギリギリ東高に受かる260点を取れていたし「あの時、高専か旭川に進学していれば」と20代フリーターの頃には何度か己と親を呪ったりもしたが、今にして思えばギリギリ東高に入ったところで挫折するのは目に見えてるし北高でも頑張るを辞めた僕が変わることはなかっただろう。兎にも角にも僕はボーダー120点の高校で、またしても学年トップであり続けた。勉強はしていないのに。
井の中の天才が井戸を出てみたら学問コンプレックスになる。分かりやすい物語だ。

こうして僕は学問に嫉妬と怒りを持った。


コンプレックスをどうやって殺すか。

「お前なんかギャルに論破されて死ね」

そう僕は言った。でもギャルは論破するだろうか?TVショーなんかではそういうギャルも登場するかも知れない。でも、ほんものの。ほんとうのギャルならレヴィ・ストロースにこう言うんじゃないだろうか?

「めっちゃ頭イイんですけどwwwウケるw」

そこには、リスペクトがあるんじゃないだろうか。

そうか、僕に足りないのはリスペクトなんだ。

相手を嫉妬ではなく、リスペクトする。
そして自分にも怒りではなくリスペクトを向けること。
お前はよくやったよ。馬鹿だけどな。

リスペクトすれば、レヴィ・ストロースの話も聞けるようになるんじゃないかなあ。

1/4。読書サークル民と港区を散歩した。

つよつよなマンションの一帯には医療センターも介護施設もあった。大きな門と高い塀に囲まれ、中に入って行くつよそうな車と、目を光らせるつよそうなガードマン。既視感あるな?と思ったら刑務所だった。漫画「バキ」に登場するアンチェイン(刑務所を自由に出入りする)ビスケット・オリバを思い出す。

さてこれはコンプレックスだろうか?しかしそこに嫉妬と怒りはない。

勝ち進み、積み上げてそこに入った人のことはリスペクトする。でも、そこで生まれた子はどうなんだろう?お城の塔の窓からまだ見ぬ王子様を夢みたり、豪華客船に乗ってディカプリオについていったりするんじゃないだろうか?

そう、嫉妬するなら僕はディカプリオに嫉妬する。フロー者に嫉妬する。リスペクト。

一緒に歩いたサークル民に言われた。「にわかーずさんは色んなバーやイベントに顔を出していて、積極的ですごいですよね。」

んなこたーない。東京見物に来て色んな街で色んな人に声をかけている君の方がずっとすごいよ。

君は僕をリスペクトしてくれるけど、僕は君をみて嫉妬と怒りが湧くんだ。

でも少しずつ。少しずつ、広げていけたらいいなと思ってるよ。ありがとね。

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