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「かわりに言ってあげるよ」

 ロバート秋山さんと佐久間一行さんの「かわりに言ってあげるよ」を観によしもと有楽町シアターへ行きました。

 二人のライブに行こうと思ったきっかけは、何かの番組で何かの動きをしている秋山さんが爆発的に面白かったので、是非生で秋山さんを観たいと思ったからです。FANYアプリで「ロバート」と検索し近々公演がないか調べると、ちょうどこのライブの存在を知り、行くことになりました。

 佐久間さんのネタは井戸のネタと工場見学のネタしか見たことがなかったのですが、それらのネタが痛烈に脳裏に焼き付いていました。ピンネタに憧れもあるので参考になるなと思い、お二人のどちらも楽しみに行くことになりました。

 大学の授業が終わり、美容院に行ってから、有楽町へ向かいました。7時開演のところ、5時半と思いのほか早く着いてしまい、何をして時間を潰そうか考える、ふと一人カラオケに行こう!と思い立ちました。

 今日は昼めし時に友だちと会話をするくらいで、自分を発散する機会が少なかったので、思いっきり喉を開いてやろう!と意気込み店を探しました。

 近くにビックエコーを見つけさっそく入ろうかなと思ったのですが、会員登録とかめんどくさそうだな、ドリンクバー自分で持ってくるタイプの店でないと嫌だな、と思ってしまいそこはスルーしました。

 となると、会員証を持っているカラオケ館か、友だちがよく一人カラオケしに招き猫に行く~と言っていたので、どちらかになるのですが、自分なりの粋「初めての場所に来たときはあえてマップを見ない」が発動し、ふらふらと歩いて店を探しました。

 そこはさすが大都会有楽町。見事にマップを使わずにカラオケ館を見つけたのですが、既に時刻は6時となる頃でした。

 今から入店しても30分しかいれず、ましてやワンドリンク制なのでもったいないなと思い、結局入りませんでした。

 まだ30分強時間があるので、おしゃれなカフェに入ろう!と再び意気込んだのですが、どれもピンとこず、気付けば皇居の周りをうろうろしていました。あんなに都会なのに人がすっからかんなのが印象的で、当たり前のように人気のない資料館に来た気分でした。

 皇居からシアターに向かう際に皇居の湖でウエディングドレスを着たカップルが友だちらしき人に野太いレンズでバシバシ写真を撮られていたのですが、一度だけ花嫁とじっくり目が合いました。その花嫁の目は幸せそうな目ではなく、黒い点が二つ、という印象でした。自分でも何を言っているのかわからないのですが、見慣れぬ地ということもあって、この人とは違う人種なのだろう、と目と肌で感じました。僕が結婚式を挙げる時はなんの縁もゆかりもない名産もない地の路肩で満面の笑みで写真を撮りたい淡い希望です。

 その後、シアターに着いた頃には6時30分になっていました。まだ少し時間があるので、コンビニでエルチキとオレンジジュースを買い、店前で立って食べました。

 こんな都会に来てもおしゃれなカフェに入らず、高校生のようにコンビニで立ち食いをしている自分はアホらしいけどなぜか誇らしい気持ちでした。そういえば、コンビニで好きなお惣菜を買って1人で食べる時間は昔から結構好きです。

 シアターには40分頃入りました。この公演は、一般販売開始直後にチケットを取ったので前から2列目ほぼ真ん中というめちゃくちゃいい席でした。右隣に同年代くらいの女性が座っており、その奥も全員女性でした。

 過去に行ったバカリズムさんや山里さんのライブは男性のお客さんが多かったのでそれに比べて秋山さん、佐久間さんは以外と女性人気があるのだなとびっくりしました。お二人が角度やセンスの笑いではなく、暖かくて楽しく面白い笑いを作れるからこそだと思います。

 携帯の充電もなかったので、薄暗い中で本を読んでいると、左隣の方もやってきてその方も若い女性でした。周りを見てもほとんどが女性でした。正直女性に挟まれる機会がなかったのでドキドキしました。束の間の楽しみなのでキモいと思わないでください。

 その時に大学の授業で必ず女の子を両隣に置いて座っている男を思い出し、そいつがそんな状況で授業に集中できていることがすごいなと思いました。僕だったら授業どころではありません。現実の世界が凄すぎて自分の世界に浸っている余裕はないのです。

 ライブはお馴染みのフリー音源に合わせたロボットダンスから始まりました。

 とは言ったものの、このライブは過何度目かの公演で、僕はこのライブに来るので初めてだったので、会場の湧き方から「これミーハーだとやばい感じかな」と少し不安な気持ちになりました。

 けれど、そこからの2人のトークが抜群に面白く、ライブの「物の気持ちを代弁して喋る」というコンセプトが、本当に些細な物でも面白く喋り、細かい面白さが発見できると共に、自分も今後そういう細かいけど面白い物を見つけようと思えるものであり、不安な気持ちは吹き飛びました。そうすることで、大袈裟でもなく、人生が楽しくなると思います。お二人の脳みそは本当に楽しく幸せに溢れていました。

 でも、このライブの味噌はそこではなく、箸休め的コーナーであった、フリー音源のコーナーです。

 お二人が日常で気になったフリー音源を発表するという企画だったのですが、それこそ本当に誰もがスルーしてしまい、音源を作った本人ですら気にしていないようなことを、掘っては掘って、その面白さを見つけていくのです。そしてそれらの演奏者に憑依する秋山さんは圧巻でした。生の秋山さんは初めてVRをつけた時くらいの迫力でした。面白いという言葉はお笑いだけでなく、様々な場面様々な意味で使われますが、秋山さんの面白いは僕の中での面白いのど真ん中でした。「喋りだしそうで喋りださないやつ」を見た時は有吉さんの如く肩から笑いました。

 後、自意識過剰かもしれませんが、僕が数少ない男性のお客さんというのもあって、何度が僕の反応を見て、僕が大きく笑っていたときはそのくだりを被せてくれていたような気がしました。秋山さんと通じ合えたことがなによりも嬉しいです。

 ライブは少し延長して1時間ちょいで終わりました。その1時間に面白さが凝縮していて、記憶に刻まれる時間を過ごせました。

 8月30日にまたライブがあるそうなので、生活ができていれば必ず行きます。今のところ生活ができていない予定はないです。


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