庭の人格を形作った100冊(25/100)

教養人になりたい大学生に読んでほしい100冊のリストがカス!みたいなツイートが流れてきたので、じゃあ俺みたいになるような本のリストを作ろうとなったので書いてます。
選考基準は自分の思想と人格に影響を与えた本で、いい本であるとかお勧めの本であるとかは意味しないです。
とりあえず4分の1ずつ分けて投稿。書きながら変わったりするかも。
リストのリンク https://bookmeter.com/users/198458/bookcases/11833038

part2 https://note.com/niwa_yukichi/n/n6ff9521bdd5d

1.ジュニア版ファーブル昆虫記 2 狩りをするハチ
奥本 大三郎
余りにも精巧に作られた昆虫の本能行動が進化によって作られたという事実が、精神と神経系という物体の関係を人生のテーマとすることに決める原体験となった。また、ファーブルが科学的に進化論を批判していたという事実が、宗教対科学という単純な図式で理解していた小学生の頃の自分にとって、批判的科学の在り方の原体験でもある。
 
2.シュピーゲルシリーズ
冲方 丁
悪辣なアイディアと語りに満ちながらも、希望によって人を読ませる力がある。スプライトシュピーゲルⅣの「世界統一ゲーム」の描写と結末は個人的オールタイムベストかもしれない。
 
3.盤上の夜 (創元日本SF叢書)
宮内 悠介
“人間の王”と解かれたゲームの関係が好きすぎる。
 
4.講談社基礎物理学シリーズ
このシリーズを力学から電磁気までやったことで今ギリギリ論文読めてる。
 
5.あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)
長谷 敏司
肉体とそれに不可避な死の運命を強く意識するようになると同時に、なりたい自分と私のための物語を書くことについて考えるようになった。ちなみにサインしてもらってる。
 
6.分析哲学入門 (講談社選書メチエ)
八木沢 敬
このシリーズで初めて言葉についてまじめに考え始めた気がする。
 
7.半島を出よ (幻冬舎文庫)
村上 龍
はじかれた外側の人間が国際的な陰謀とか全部無視してすべてを破壊するようなことを成し遂げたのがめちゃいい。
 
8.新装版 オイラーの贈物 人類の至宝e^iπ=−1を学ぶ
吉田 武
独立に定義されてきた概念たちが相互に一つにまとまっていくのキモ過ぎて、世界に法則が成立していることに吐き気を催すようになったきっかけ。
 
9.ゲームの王国
小川 哲
運命を選べば取り返しのつかない人生というゲームの考え方と、暴力的現実においてルールを順守させること自体の難しさに気づいた。
 
10.あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
テッド・チャン
“地獄とは神の不在である”
 
11.サザーン・リーチ3部作
ジェフ・ヴァンダミア
全く理解の及ばない異常空間と、そこへの人間のあまりにも個人的な対峙の仕方の良さ。
 
12.順列都市 (ハヤカワ文庫SF)
グレッグ イーガン
たぶん初めてちゃんと読んだハードSF。人間性に関してここまで突っ走っていいんだと気づいた。
 
13.理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
高橋 昌一郎
初めて科学はできることの拡張ではなく、できないことの線引きでもあると気づいた本。
 
14.未来のイヴ (創元ライブラリ) (創元ライブラリ L ウ 1-1)
ヴィリエ・ド・リラダン
理想の花嫁を求めるという渇望を植え付けられ、一時期大変だった。
 
15.キャッチャー・イン・ザ・トイレット!
伊瀬 勝良
中学生のころ漫画を読んで、青春の在り方と性欲への向かい方を考えた。
 
16.悪について
エーリッヒ・フロム
人間と悪についてずっと考えてる。
 
17.ラヴクラフト全集
H.P.ラヴクラフト
想像を絶する異形への想像力。
 
18.金閣寺
三島 由紀夫
初めて海外に行った時の、自分の足が地を踏めているという日常との地続き間に失望した体験のように、理想的美と実際に観てしまった現実のギャップ、そしてそれを破壊によって昇華する過程が胸に焼き付いている。
 
19.錬金術 (文庫クセジュ)
セルジュ・ユタン
初めてサイエンス以外の知識体系も、前提が異なっているだけでその中ではきちんと体系として組み立てられたものだと知った本。
 
20.伝奇集 (岩波文庫)
J.L. ボルヘス
言語とその意味の可能性についていつも考えさせられている。
 
21.駿河城御前試合 (徳間文庫)
南條 範夫
情念、あるいは無情。
 
22.シラノ・ド・ベルジュラック (岩波文庫)
エドモン・ロスタン
ラストの文で、翻訳も創造性を発揮する創作活動だと初めて知った。哲学者、理学者、詩人、剣客、音楽家になり、彼のように自分として生きて自分として死にたい。
 
23.種の起原 (原書第6版)
チャールズ・ダーウィン
生物学の全ての基盤となった進化論だが、実際読んでみると穴が多いし、“何らかの”でごまかしていると感じる場面も少なくない。科学の基盤となった理論さえ批判的検討と更新が常に必要という、人間の知の営みの在り方を再認識させられた。
 
24.生命とは何か: 物理的にみた生細胞 (岩波文庫)
シュレーディンガー
スケールと情報、揺らぎという概念を生物学の理解に持ち込むきっかけとなった。生物のことを語るときに量子とか猫の話されると「スケールの話の方は読んだか?」と問い詰めたくなった。
 
25.地獄の季節 (岩波文庫)
ランボオ
天才が芸術に対してたたきつけた絶縁状。天才が芸術と絶縁するということ自体に驚くと同時に、こんなにも心を揺るがす言葉があると初めて詩を味わえた本。

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