見出し画像

ちょっと早すぎる朝は

——
———今日もいつも通り、自然と目が覚めた。窓の外は白み始めているがまだ暗い。
 壁に掛けられた時計を見ると、四時を少し回ったところだった。まだ起きるには早いが、何度寝返りを打っても寝付けそうにない。
「お腹空いた……」
 水面に浮上してくるように意識が覚醒すると同時に空腹を覚えた。毎朝、何時に起きても必ずこの時間にお腹がすくので困る。
 仕方がないから、何か食べようかな。
 私は季節外れの毛布から這い出し、ベッドを出た。
 寒い。ぶるりと震えて腕をさすった。
 ベッドから降りると、床の冷たさが足の裏に伝わってきた。
 今朝も冷えるなぁと思いながら、履き古した『靴下サプリ-まるでこたつソックス-』を履いてキッチンに向かう。
 冷蔵庫を開けると、中にある物を確認してから扉を閉める。
 納豆も切らしているし、ソーセージもハムも昨日のうちに使い切ってしまった。あるのはご飯のお供である、キムチや沢庵、梅干しなどの漬物が数種類だけだ。
「……うーん」
 どうしようか。このまま何も食べずに二度寝などできない。空腹でどうにかなりそうだ。
 ふとテーブルの上に目を遣ると、そこには日清の『ごろグラ-チョコナッツ-』があった。
 そうだ! これがあるじゃないか!!
 私は早速、食器棚から取手の付いたカップを取り出し、袋から直接グラノラをざらざらと入れた。
 そこに、調製豆乳を入れれば、完成だ。
 こんなに簡単なのに、食物繊維はたっぷりで、鉄分もカルシウムも摂れるという優れものだ。
 私はスプーンでグラノラを混ぜて一口食べる。噛むたびに香ばしい香りが広がる。アーモンドのカリカリとした食感もいいアクセントになっている。チョコ自体も程よい甘さなので、いくらでも食べられそうだ。
 うん、美味しい。
 最後にチョコが溶け出した豆乳を飲むと至福の時間が訪れる。
 私は無言のまま朝食を終えた。きっと、五時間後くらいには二度目の朝食を摂っていることだろう。
 私は満足して再び布団の中に戻った。
 お気に入りのホッキョクグマの抱き枕を抱え込み、毛布を被る。
 すると、あっと言う間に睡魔に襲われた。 

 次に目覚めた時は、もうすっかり日が高くなっていた。
 カーテン越しに差し込む光のせいで部屋全体がぼんやりと明るい。
 ああ、一日が始まるんだ……。
 そんなことを思いながら、小さく息をついた。


今日は小説風に朝の出来事を書いてみました☺︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?