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人生に苦しみは必要なのか?

昨日の小川洋子さんと河合隼雄さんの対談が綴られている『生きるとは、自分の物語をつくること(新潮文庫)』ついて語る読書会に参加した。

モヤモヤしたことわからなかったことを話す時間のなかで引用させていただいたのは河合隼雄さんの言葉だ。

苦しみを経ずに出てきた作品というのは、その人たちには、魅力がないんじゃないかと思いますね。

『生きるとは、自分の物語をつくること(新潮文庫)』小川 洋子,  河合 隼雄著

苦しみを経た作品というは、心に残る。

言葉も重く、語弊を恐れずに書くと魅力的だとも思う。だからわかる部分もあるのだけど、なんだか素直に受け入れられない言葉だった。

避けもうと思って苦しみは避けられるものでもないけれど。

それでも、何も苦しみのない人生が否定されてしまうのは、なんだか悲しいと思うのだ。

人は傷つく必要なんてない

最所あさみさんのnoteで綴られた下記の言葉が交差する。

"人は傷つく必要なんてない。絶対にない。"
シンプルだけど、強くて重い言葉。

ー中略ー

たしかに辛い経験を乗り越えてきた人が作り出すものは、受け手の傷に共鳴してより深く心に響く。

ー中略ー

けれど、と私は思うのだ。
傷が結果的に表現活動につながることはあっても、表現のために自分の幸福を後悔する必要はないのではないかと。幸せに歩んできた道は、それ自体が作品たりえるのではないかと。

贅沢な悩みと幸福への引き目|最所あさみ

自分が苦しんだ経験があったからこそ、相手の状況をわかろうとしようとすることが少しはできたりする。

けれど、苦しい経験は時に崩れ落ちて立ち上がれないものとなることも知っているから、苦しむ経験は必要だなんてことは簡単には言えない。

幸せなことが妬まれることもあるかもしれないけど、その道が作品になりえることができるなら、そうあっていいと思う。

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