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暑さに負けんじゃねえぞ

こんにちは、こんばんは、そしておはよう。アキです。
じとーっとした暑さを前にすると、心までじとじとしてくる気がする。
ああ、また今日もなんもしてねえなああ。大量の汗が出てくるばかりで、ポジティブアイディアは全く出てこない。あーあ、出てきた汗が石油にでも変わって私を金持ちにでもしてくれればいいのに。なんて暑さで脳みそが溶けきってしまった状態を曲を聴きながら、シャワーで洗い流し、今を迎えている。
早く夏おわらないかな。梅雨さえ終わってないのに。先が思いやられる。

そんな暑い日に爆汗をかきながら、チャリで爆走し(本当だったら余裕で間に合う時間だったのに怠惰に優柔不断が重なり爆走を余儀なくされた。)、皆が頭に思い描くような定番のおっさんの如く汗をハンカチで拭き拭きしながら、ぎりぎり着席で観てきたのは、「男女残酷物語/サソリ決戦」。
たまたまお休みだったので、(こう書く人よくいるけど、休みって前々から分かってるはずだから、休み当日近くまで予定が決まらなかったので、と書くのが正しい気がする。でもたまたま休みって書いた方がかっこいい気もするから書く。)なんかおもしろそうな映画(≒自分の活動する時間帯にやってる映画)ないかなと思って予約したこの映画。
私は映画もライブもあんまり事前情報を入れてかないタイプなので、(授業も予習しないタイプ)今回も、男女の悲しい恋愛話なのかなと、短絡的で脆弱な予想のみで映画を観た。ところがすっとこどっこい、全く違う映画だった上にかなり面白い映画だった。この映画50年以上も前の映画なのだが、どうやら日本公開されることなく現在になって評価され初上陸した作品らしい。(もちろん後から調べて知った)
以下ネタバレ (頭が悪いため、映画の内容を知りたいという人には向かないので注意。)

話は男が女を監禁し、自分の性癖(典型的なS)を満たすため、さまざまなことをして最終的に●そうとするもの。女に対してさまざまなことをするのだが、確かにとても恐ろしいことをしているのだが、どこかポップさがあり、何度か私もわらいそうになった。○行為をするのかと思ったら、自分とそっくりの人形を取り出してこいつに同じようにキスをして◯行為しろと言ってみたり、無駄にハイテク装置が揃っているのだが、今の時代から考えると少しチャチくて笑えてしまうようなものだったり、男を●そうとした女をお仕置きとしてホースから勢いよくでる水を当て続けたり、女がガムテープで口を塞がれ、声を出すのだがもちろん伝わらず、結局自分で剥がして普通にしゃべったり、映像だけかと思ったら音楽も明るげな音楽が流れたり、(個人的に全裸で懸垂をタオルを持った女が見るシュールなシーンと、足のマッサージをさせるのだが、女に力が弱いと言って足首近くを両手でスリスリスリッッッさせるシーンが好き)スリラーとポップがバランスよく入り混じった面白い作品だった。でもこのままいったら男が女を●して終わりじゃんと思ってたら180°物語は展開する。男は以前にも同じように女を痛めつけ、最終的に●していたと自供し、女も同じ目に合わせると宣言したのだが(のちにこれはすべて嘘だと発覚)、女は薬を大量に摂取し倒れてしまう。そこで男がとった行動は女を救うことだった。ここから物語は移り変わる。いつもと違う感情を抱き男は女に心を許し、まるで今までのことがなかったかのように男女としての関係を見せていく。そして前半までの姿とは別人、女に振り回され憐れな姿を、写真に撮されていく。(サドな面しか見せてこなかった男が真逆であるマゾな一面をみせていく)この時本当に男は幸せそうな顔をしている。この変わり身も笑ってしまいそうになった。(役者一緒で全く違う映画が始まったのかとも思った。)しかし、何度か男が手を出そうとしても女は上手くそれをはぐらかす。そして蠍の話になる。(蠍は◯行為中オスが絶頂を迎えた瞬間メスがオスを喰らうと。これを知っていれば、タイトルから話の流れをある程度予想できたかもしれない悔しい。)自宅のでっかいプールで女が水着を脱ぎ、両手を広げ男を誘う。男は拷問時に女が言っていた水の中はとっても気持ちいい的なことを言っていたのを思い出す。そして女の元へ飛び込み女の中で絶頂を迎える。     そして死ぬ。
まさに途中で出てきた蠍の話のように。(男せつねえ)
本当は女は全て知っていて、痛めつけられる女を演じていたのだ。切られた髪の毛はかつらで、それをプールに投げ入れた時、確信に変わりました。(多分遅い)
ラストシーン、女は男の写真を一枚アルバムに入れる。そしてそのファイルには同様に犠牲になった男たちの写真がたくさん。

話の大筋、細かいところもとても面白く見入ってしまう作品だった。二人とも演技上手いし、女優はマジでセクシーだった。そしてところどころ出てくる芸術作品や音楽がとても洒落ていて、個人的にかなり気に入った作品だった。映画好きからすればイタリア作品は他の国と比べてこういうオシャレな作品が多いらしい。(知らんかった)
女◯器を模したモニュメントの中に男が入っていき、骨だけが中から出てくるシーンは、まさにこの映画の男性は女性の前では骨抜き(無力)にされてしまうというメッセージを明確に表現していそうで、うおーとなった。(違ったらごめんなさい)
怖いところはあるんだけどどこかポップさがあったり、平坦な物語に思わせてしっかり展開があったり、観やすいけど観ごたえのある作品だった。
今◯についての話題はかなりセンシティブな時代だが、このくらいのポップさで、結局女性には敵わんよね(トホホ)って男性が思ってるくらいが世の中うまくいきそうな気もするけどなと思った映画だった。
気に入りすぎてグッズTも買っちゃったし、シャワー浴びながらサントラも聴いてしまった。(Femina Ridens(=笑う女)で検索)

じとーっとした暑さの嫌な日でも、いい作品に出会えばいい気分になれるし(映画館は物理的に涼しいし)、やはり暑さに歯向かい外出すれば、なにかしらいい出会いがあると感じた日だった。でも暑くてかく汗だけは、なんとか石油みたいな役に立つものに変わってほしい。

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