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テスト100点でiPod

1.母からの挑戦状


小学校5年生の時。
中学受験をするために、塾に通っていた僕は毎月のテストに追われていた。

ある日、母から
「次のテストで何かしらの教科が100点だったらiPodを買ってあげる」
と言われた。当時、iPodと言えば小学生はほとんど持っていない貴重なもので、相当欲しかった僕は得意教科の社会に絞ってテスト範囲を集中的に勉強した。来る日も来る日も社会だけ勉強して、その範囲だけ完璧にした。


2.テスト当日


迎えたテスト当日。
国語→算数が午前中にあり、昼食を挟んで理科→社会とテストがある。
午前中、ましてや理科までの教科なんてどうでもいい。
昼食中ももちろん社会の確認をして、万全に万全を期した。

迎えた社会の時間。
さぁこい!どんな問題でもこい!!!!
勝負の50分が始まる。

「始め」

という言葉と共にさらっと問題を全部確認。
うん。全部分かりそうだ。
最初からゆっくり解き始める。

わかる。
わかる。
これも余裕。
ちょっと勉強しすぎたな笑


そんな感覚でスラスラ解いていく。
30分ほどで回答を埋め、見直しもした。

これはもらった。
念願のiPodだ。

どや顔で回答を前に回し、堂々と帰宅する。
塾に迎えにきた母にも、「iPod用意しといてね」と勝利宣言をした。


3.テストの結果は…


2週間後、結果が帰ってきた。
いつもと違って総合点、総合順位、志望校判定なんてどうでもいい。
とにかく社会。社会の点数はどうだ⁈
結果は…



97点‼︎
ぬぅぁぁぁぁぁ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎
なんで‼︎‼︎‼︎
どこだ。どこをミスった‼︎

間違えた問題を見直すと、


「日本に鉄砲を伝えたのは何人でしょう」


え??基礎中の基礎じゃん。


ポルトガル人に決まってる。
なんなら種子島に来たことも知ってる。

こんな問題間違えるはずがない。
なんだ、採点ミスか笑

そう思いながら僕の回答を見直すと、


「2」人


⁇⁇⁇
理解するのに数秒必要だった。

みなさんおわかりだろうか。
僕がどんな間違いをしてしまったか。

改めて問題文を振り返ろう。


「日本に鉄砲を伝えたのは何人でしょう」


そう。
僕は、問題文の「何人」を「なにじん」ではなく「なんにん」と読んでいたのだ。
一回間違えて読んでしまうと他の読み方では読めなくなる。

漂流して着いたはずだったから「まぁそんなに大きな船じゃ来ないだろう」と予想して、2人と回答していたのだ。
ちなみに問題文にふりがなはなかった。

いやいや、これ問題が悪いやろ!!!!

とぶつけようのない怒りを覚え、iPodゲットは夢と散ったのだった。

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