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作り人は苦労する 2万4千字の産みの苦しみ

 語り手(創造者):私
 聞き手:藤井尚枝(ふじいひさえ)さん。(架空の人物です)

 藤井:ツクックです。

 私:ごきげんいかがでしょうか。

 藤井:だいたいこのツクック1回分に記載される会話の文字数は1千文字をちょっと超えるぐらいを目安にしていらっしゃるようですが。

 私:一千個の文字のバッファ〇ーマンだ。ハリペーンカキサー!!!

 藤井:(一度悪魔に魂を売られて来たらいいのに。)

 私:しかし、なぜ突然に一千文字が話題になるのでしょうか。

 藤井:あなた、テレビドラマの脚本なみの文字数の文章を書きたいのですよね。

 私:まあ、その通りでございますが。

 藤井:とある文書の徹底調査(コンプリートネスサーベイ)によりますと、

 私:徹底といいながら、調査はいい加減であることを訂正しておきます。

 藤井:正味45分に渡りますテレビドラマ1話分の脚本を書くために必要な文字数は大体四百字詰め原稿用紙60枚になるという文章が出てまいりました。

 私:ということは1話分の話を作るのに400x60で二万四千字の文字数の文章が必要になるということですか?

 藤井:あなたにはそれだけの文章を書くだけの気力はもう残されていないでしょう。

 私:また、身も蓋もないことをいきなり言い出すんだから。

 藤井:たぶんここに書かれている文字数というのは、パソコンで書いた場合に出てくる改行や段落落としの文字数は含まれていないでしょうから、実際はもっと書かなければいけない文字数は多いということになると推察されるのですが。

 私:今現在文章を書いていて、全体で何文字書いているかの把握は、その都度やっているのですが、(この時点で740文字程度)それが辛くなってきていますね。

 藤井:じゃあ、無理だ。仮に45分を8で割って約6分の状況を描くために四百字詰め原稿用紙8枚(3200字程度)で、そのシーンやカットをまとめろと言われて、それが今のあなたにできるのかと問われると、微妙じゃありませんか?

 私:あなたは私に小説や脚本を書かせたくないのですか?

 藤井:現実の問題を言っているのですよ。あなたはそういう文筆家になるのには、あまりにも素人すぎるのですから。どうせ女子高生をどうだこうだしたいという物語しか書きたくないのでしょうから。変態文筆家になるのは諦めたほうが身のためですよ。

 私:どこから始めればいいのでしょうかねぇ。

 藤井:それでは今日のツクックは終わりです。ありがとうございました。

 (了)

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