呪詛を見た。

はじめに!

まずティザーを観ていない人は是非そちらから視聴することをおすすめする。
見終えた後、まだ元気が残っていればそのまま本編へ。

ティザーも見た!ホラーも好き!という準備万端の人へ。
一緒にたのしもうね!!!

台湾のホラーコンテンツは結構面白い。
有名どころで言えば「赤い封筒」や「赤い服を着た少女」と言った怪談。
1960年代の台湾政治やその背景をリアルに再現したゲーム「返校」。
やけにリアルな仕上がりの3作品だがそれもそのはず。

今挙げたものが全てノンフィクションだから。

そして今から紹介する呪詛もまた、同様に本当にあった怖い話。

この映画は2005年に起こった集団憑依事件を基にして作られている。事件の内容は言ってしまえばいわゆる悪魔憑き。
そこで切っても切り離せないワードがエクソシスト。悪魔を打ち倒さんとする敬虔な神の使徒の存在である。

が、呪詛に有能な救い手は一切現れない。
別にこれはネタバレでもなんでもない。
ホラー映画なんてこんなもん。

台湾映画を英語吹き替え日本語字幕で視聴。
開始早々、淡々とした口ぶりで女性が語り始める。

「意志で結果は変えられる。それが祈りである。」

ホラー映画のはずなのに非常に前向きな言葉が流れるも、BGMが不穏さを引き立てていて気味が悪い。これ以上の温度差はない。
と思っていると画面が切り替わり、不慮の事故で本編が始まる。
開幕ダイナミック事故。画面右下に焦点の合わない瞳をした死体が一体。
命からがらたどり着いた警察では2名の警官が突然自殺。ここまでジェットコースター並みのスピードで人がバンバン死んでいく。

呆気に取られているうちに暗転。
 
主観視点で主人公が問いかけてくる。
突然の自己紹介。慣れない手つきと表情。
この時点で視聴者参加型ホラー決定。
どう見ても新人YouTuberの心霊企画。
(途中途中、カメラワークが上手すぎて初心者の配信感が無い。)
主観視点ホラーはブレアウィッチプロジェクトを見たことある人には伝わるかもしれない。

動画が進む。どうやら自分の身の回りで起こっている一連の不幸な出来事を「呪い」と言っており、その解決策を探すべく動画を撮影しているらしい。

なぜ呪いというワードが出てくるのか。それには先程言った集団憑依事件が関係している。

事件の内容を少し掘り下げると、土着信仰や風習・カルト宗教が深く関係していることが分かる。

信じる者は救われるという言葉があるが、アレは本当に信仰対象の気分次第なんだなと痛感する。

なんか風習とかって言えば表向きにその土地ならではの〜って理解を得られるかもしれないけど、いざ蓋を開けたら完全にカルトだし、不気味さと陰湿さを煮詰めた闇鍋が完成されてて、それを全く分かってない人間に提供する悪趣味で誰も幸せにならない雰囲気が終始続いていく。

怪しい儀式。理解出来ない風習。謎の呪文。
好奇心旺盛で何も知る由もない人間を、伝統と評した行為で教徒として取り込んでいく様子が凄く自然な流れだった。
翻弄されて堕ちていく人間を、分かっていたと言わんばかりに都合よく儀式材料にしていく様もなかなかだった。

なんかある程度内容掴んでからは一気に「全部わかっちゃった...」って謎に世界の真理を解った人サイドになった。第三者のはずなのにいつの間にか巻き込まれてた。ちゃんと視聴者参加型ホラーだった。
普通に散歩してたはずなのに、一生晴れない霧がかった薄暗い湿地帯を嫌な気配を感じながら足速に歩き続けなきゃいけない感覚に陥ってた。

怖いというよりかは、肌にまとわりつくような気持ち悪さをずっと体感し続ける111分間だった。
洒落怖を極限までこだわったらこういう実写化映像になるんだろう。
本当に笑いがない。台湾映画っていつもそう。笑いどころを一切作ってくれない。一生梅雨。

あと集合体恐怖症の人がいたら本当にどうか覚悟して見てほしい。端的に言ってキモい。ここに関しては言葉を選んでない。本当にキモい。鳥肌が立つ。

最終的に、怖い話のURL踏んである程度読んでから【自己責任】って事に気づいて「あー終わった」って頭抱える。そんな映画だった。

三半規管が弱いわたしは普通に画面酔いした。

ティザーが1番面白かったです。おわり

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