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「これしかない!」を見つけるまでに。

こんにちは。

とんでもなく素晴らしい本に、出会ってしまいました!!

それは、「ぼくにはこれしかなかった。」(早坂大輔)。

盛岡で本屋さんを営む著者の、まごころ詰まったメッセージ満載の自伝です。

著者は長年のサラリーマン生活からドロップアウトして起業を決意し、
しかしその起業もあまりうまくいかず、最終的に本屋を開業します。

その中にはたくさんの葛藤と紆余曲折がありました。
もちろん、どんな人の人生にも当然あるはずです。
ただ私は、著者の人生へのまっすぐな向き合い方に、ページをめくるたびに次第に好感を持つようになり、そして何よりもエッセイでありながら優れた小説を思わせるような素晴らしい文章に、気付けば完全に虜になっていました。

この本が輝きを放っているのはきっと、著者が誰でもない自分の言葉で語っているから、ということに尽きます。それも、ただ経験してきたことだからしっかり書けるというような話ではなく、著者のこれまでの人生を振り返る眼差しが時を経るごとに優しくキラキラしているからだと、この本を読んで私は率直に思いました。

思えば私自身も自分の人生を振り返ってみて、いつもここではないどこかを探し求めているようなところがあります。

事業所を10ヶ所以上も変わりました。
同じ仕事が2年以上続いた試しがありません。

それでも。それでも、こんな自分でも何かできることがあるはずだと心のどこかで信じて、自分なりにあがいて、もがいて、少しばかりの勇気をふり絞って生きてきました。なんでそんな風になったのか。

それは、著者と同じく私も、自由に生きてみたかったからです。

自由に生きる。
言葉だけだとすごく気持ちいい響きがします。
でも、現実という鎖はいつも人から自由を奪うものです。

著者は、自分の本当にやりたいことは何かと自問自答する中で、本屋を開業するという結論に至ります。自分が本当に愛する本を売り、本屋という場の中で生まれる人と人との温かいつながりを愛おしく思いながら日々を過ごす。それは本当に尊いことです。

でも、現実は思うほど甘くはありません。
売上は思うほど伸びず、毎日が自転車操業の日々。
著者の苦悩は増すばかりです。

それでも。それでも著者は全身で自由を感じ、毎日が心地よかったと述懐します。
私はそれを読んで、心底羨ましく感じました。
これが、自由に生きるってことなのか、と。

ただ、私はnoteでブログを書き続けるようになってから、同じように自由な風を感じることが度々あります。
noteは、とても自由なプラットフォームです。
書いていて気持ちがいいし、ユーザー間の風通しもすごくいいと感じます。

なので、私は本屋を開業する予定は今のところないけれど、自由に生きたいと願う私が心のど真ん中にいる限り、ブログを書き続けようと思います。
文章を書くことは自分の核だと信じています。

そして。
自分には何もないと思っている方や、やりたいことが見つからないと嘆いている方に向けて、今の私ならこう言います。

全てはかけがえのない経験であり、財産だと。

だから霞んで見える遠くを無意味に見つめ続けるより、
目の前にある宝物に気が付ける感性をまずは磨いていこう。

「これしかない!」を見つけるまでには、時間はたっぷりあるのだから。







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