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NissanConnectアプリにおけるプロダクトオーナーの役割

こんにちは、日産自動車株式会社の佐藤です。
今回は私の担当するNissanConnectアプリにおけるプロダクトオーナーの役割について簡単ですが紹介したいと思います。

プロダクトオーナーの役割

日産自動車のコーポレートパーパスである「人々の生活を豊かに」を達成するため、NissanConncet は、コネクテッドカーという技術を使って「ヒトとクルマ、ヒトと社会をつなげることで、もっと快適、もっと安心、そしてもっとワクワクする移動体験を提供」することをミッションとしたプロダクトです。
そんなNissanConnectにおけるプロダクトオーナーの役割とは一言で言うと、上記ミッション実現のために「何を作るか(what)を考える/決める、それらをお客さまに適切に届ける」ことです。

今回、プロダクトオーナーとして「何を作るかを考える(=プロダクトバックログアイテム(PBI)を作る)」ために行っている取り組みを紹介していきます。

NissanConnectアプリ(EV向け:Android)



プロダクトオーナーの具体的なお仕事

NissanConnect におけるプロダクトバックログアイテム(PBI)はさまざまなインプットから成ります。多い順で言うと以下のようなイメージです。

お客さまからのフィードバックをインプットにした改善

昨年、NissanConncetアプリに対して直接的にお客さまの声を拾う仕組みを入れたところ、数多くのフィードバックをいただけるようになり、以前よりリアクティブな開発ができるようになりました。

フィードバックが来るたびにfeedback太郎がslackに通知してくれます


アプリ内の行動データをインプットにした改善

アプリ内における行動データを取得し、Google Cloud PlatformのBigqueryに蓄積しています。それらを活用して、よりお客さまにとって利便性向上を図っています。またユーザーに求められているサービス/機能であるかを定期的にチェックし場合によってはサンセットし、本当にお客さまに求められている機能の開発にフォーカスするなどの意思決定もデータから行っています。

自分たちでお客さまの潜在的なニーズを抽出し、それを解決するソリューションを企画

シチュエーションを仮定し、実際にドライブに出かけたりすることで新しいアイデアが生まれたりします。一例として、、EVユーザーには「充電スポットの空き情報を知りたい」という大きなペインであり、それを解決するために車両位置周辺の充電スポットの満空情報を表示する、という機能を提供しています。当該機能に対して「検索バーを追加し、現在の車両位置だけでなく、任意の地点の充電スポットを検索可能とする」追加機能をリリースしました。これは「旅行先など土地勘のない場所における充電スポットの有無って事前に知っておきたいというよね」というアイデアから生まれたものです。プロダクトオーナーとしてお客さまになりきる、それを当たり前のように実行するための会議体やテストドライブの時間を設定するなど工夫をしてたりします。

充電スポット満空情報に検索バーを追加


新しい車両に搭載されるソフトウェアに応じた新機能開発

新しい車の開発においては、ほとんどのケースにおいて車側のハード/ソフトは最新のものを利用するので、コネクテッド技術にて実現できる提供価値の幅が広がります。新車両開発プロジェクトの中で半年〜1年以上実施されるE2Eテストのタイミングに合わせて開発し、メインブランチで開発されている月1回のアップデートをリリース都度、追いつきをかけていく、といった手段をとってタイムラインの異なる開発の両立を図ってます。

他部署(車両側の開発部署やビジネス開発部署等)との価値共創

これは本年度から新たに始めた取り組みです。車側のソフトウェア開発を担うプロフェッショナルと一緒に、既販車に対してすぐに提供できる(≒車側のソフトアップデートやハードの追加等が不要)機能を企画し、実車を使ってフィージビリティスタディを行い、お客さまに新しい体験を提供します。

またビジネス開発部署と一緒に、我々の提供価値であるコネクテッドとそれ以外の価値を掛け合わせたものを他社や他サービスと協業することで、新しい機能の企画を行っています。移動それ自体を目的に車を利用するお客さまももちろんいらっしゃると思いますが、それ以外の目的を達成するための移動手段として車を利用するお客さまの方が多いと考えてます。各々のお客さまの目的実現をよりサポートを行うために、移動以外の価値提供を行っている他の企業と一緒に双方がWinWinとなるような価値共創をしていく必要があります。


これらの取り組みを経て、プロダクトバックログに開発アイテムを追加し、現在行っている月に一度のアプリリリースにてお客さまへの継続的な価値提供を実現しています。
また、限られたリソースの中でこれらの開発アイテムを全て開発することは現実的ではありません。そのため優先順位を決めて開発を進める必要があるのですが、どういう考え方でそれを決めているかはまた別記事で紹介したいと思います。

おわりに

2022年2月現在、プロダクトオーナーチーム(正式にはProduct Management Team)には6名のメンバーが所属しており、Web/IT企業でプロダクト開発を第一線で担っていたメンバーや、カスタマーサクセスに従事していたメンバー、そして日産自動車の車両開発/実験部門から異動してきたメンバーなど様々なバックボーンがあるメンバーで構成されています。

これから私たちはメインであるコネクテッド事業におけるスマホアプリやスマートデバイスの開発の他にも車載アプリの開発やモビリティサービスの立ち上げなど、移動にまつわるすべての体験をシームレスに提供することを目的により事業領域拡大を狙っています。

今までの移動体験を刷新したいという想いに共感していただける仲間を絶賛募集中です。気になる方はぜひ以下の記事もご覧ください。よろしくお願いします!

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