いま「コロナ鬱」の危険。その予防法は?
あなたを蝕むかもしれない「コロナ鬱(うつ)」とは
コロナウイルスの世界的蔓延をうけ、我々は今、心の問題に向き合わなければなりません。
外出自粛のために我々の生活は公私ともに大きく変化しています。
経済的には「コロナショック」と言われる未曾有の不況を目の前にし、将来への不安がこれまでないほど高まっています。来年の今頃、現在と同じ生活水準を維持できる方は少数派でしょう。
また、すでに多くの方がコロナウイルス感染症の犠牲となっており、現時点で国内での死亡者数は300名近くに達しています。
有名人では志村けんさんや岡江久美子も犠牲となりました。
ご親族はもちろんのこと、日本全体が大切な人の喪失を心より悲しんでいます。
今、コロナ鬱を発症しやすい条件が揃っている
そうなんです。実は今、うつを発症しやすい条件が揃っているのです。
私の別の記事で「#コロナ疲れ」「#自粛疲れ」の正体とその対策(リンク)について投稿していますので、そちらもぜひご参考ください。
心理学・精神医学的には、うつ病の原因には、身体的要因と環境要因に分けられます。
以下に代表的な例をあげます。
環境要因
経済的問題、人間関係の問題、親しい人やペットとの離別、妊娠・育児、楽しみの喪失、生活環境の変化
身体的要因
慢性疲労、慢性的な痛み、糖尿病などの生活習慣病、肥満、運動不足、アルコール依存
上記でお分かりかと思いますが、昨今のコロナ蔓延下では太字で示したように、複数のうつの発症因子が存在しているのです。
つまり、
いまの状況は人生でまたとないほど、うつを発症するリスクの高い時期と言えます。
そこで、こんな時期だからこそ、うつにならないように対策する必要があります。
ちなみに、肥満・運動不足とうつの発症の関係については、以前から医学的にも話題になることが多い事実です。
脂肪や筋肉組織から分泌される様々な物質(アディポカイン、BDNFなど)や、運動することで分泌されるエンドルフィンやANPなどの物質がうつの発症に関与することが、様々な研究結果で明らかになっています。
また、医学的によく話題になりますが、上記リストに「生活環境の変化」と書きました。
実はこれは、悪い変化だけではなく、一見すると良い変化と思われることであってもうつ発症の原因となるのです。
代表的なものとして、昇進、結婚、確執者の死亡などが挙げられます。
もしかすると今、テレワークが始まることで、職場の煩わしい人間関係から解放されている方も多いのではないかと思いますが、実は以外にもそれがうつ発症のリスクとなるのです。
コロナ鬱の予防法、どうしたらよいか?
うつ病は一回発病するとなかなか治りません。
ある研究では、うつ病によって就労できない期間が平均1.5年であり、長期に就労できない方も多いことが報告されています。
もちろん復職したとしても、薬物治療が必要であったり、制限範囲内での勤務となることがあり、発症前と同様に働けるようになる方は少ないのではないかと思います。
なので、コロナ鬱になる前の予防がとても大切なのです。
コロナ鬱の予防法
・物事を柔軟な思考で捉えよう
・運動不足を解消しよう
・うつ病予防効果のある食事を食べよう
・マインドフルネスや瞑想をしよう
Ⅰ 物事を柔軟な思考で捉えよう
実際にうつ病患者さんに対して、認知行動療法という治療が行われることがあります。
「柔軟に考える」とは例えていうと、何か悪い物事が起こったときに、「それは本当に悪いことなのか?」と自問することです。
例えば、飲食業で働いている人の中には、コロナショックで職を失う方もいらっしゃるかもしれません。失業と捉えれば辛い出来事です。
しかし、「失業しても何か別の仕事が見つかるはず、もともと辛かった職場だしむしろ転職のきっかけになる。これを機に以前からやりたかった○○を始めるチャンスになる。」とプラスに捉えることもできます。
ただポジティブシンキングをするということではありません。むしろ無理にポジティブに考えるよりも、「もしも失業しても失業手当を使えば生活は維持できる。長い人生いろいろある。あの頃の辛かったことに比べれば、今の出来事は大したことはない。」と中立的な評価をすることも役にたちます。
Ⅰ 運動不足を解消しよう 運動はあなたの脳とメンタルを変える
脂肪や筋肉組織から分泌される様々な物質(アディポカイン、BDNFなど)や、運動することで分泌されるエンドルフィンやANPなどの物質がうつの発症に関与することが、様々な研究結果で明らかになっています。
つまり、筋肉を増やし、脂肪組織を減らすようにしましょう。
運動の量としては、週3回、1回30分が推奨されています。
運動の強さとしては、中〜ややきついと感じられる程度が推奨されています。
なので内容は個人差がでてきますが、若い方であれば辛くない程度のジョギングが良さそうです。
Ⅰ うつの予防効果のある食品を食べよう
①トリプトファン
トリプトファンは体内で変換され、気分を調整する脳内物質「セロトニン」に変換されます。したがってトリプトファンを積極的に摂取することで、うつ病予防に効果があると考えられます。
トリプトファンを含む食品
・豆腐、納豆などの大豆製品
・チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品
・炭水化物(穀物、芋類) (こちらはトリプトファンの吸収を促進する)
②オメガ3脂肪酸
「フィッシュオイル」とも言われる、とてもありがたい栄養素です。
こちら、私のブログでの投稿もよろしければご参照ください。
うつ予防・改善効果のみならず、その多面的な作用(心臓病予防、脳機能の維持向上、アレルギーへの効果)が言われています。微小血管の血流を改善し、美容効果も注目されています。私の知る限りでは、サプリメントとして摂取している医師も多いです。
オメガ3脂肪酸を含む食品
・青魚を初めとした魚(さば、さんま、いわし、ぶり、まぐろ、さけ など)
・その他海洋生物(海藻類、いか、たこ、えび、かに など)
Ⅰ マインドフルネスや瞑想を始めよう あなたの潜在能力を引き出す最強テクニック
「マインドフルネス」「瞑想」と聞いて、何だか胡散臭いと思っている方。
もはや人生損をしていると言っても過言ではないでしょう。
世の中にこれほど食わず嫌いなものも無いのでは、と思うくらいです。
マインドフルネスに関してはもはやその効果は揺るがないものとなっており、精神面の作用としては、不安やうつの改善、ストレス耐性の向上、幸福感の向上などが言われています。
科学的には脳のDMN(デフォルトモードネットワーク)を抑制することで、その効果が得られることが説明されています。
特に有名な話として、GoogleやFacebookが、社内研修としてマインドフルネスを採用したことが有名です。
また、個人的に最も印象的な話として、
あの「サピエンス全史」で世界で最も影響力のある思想家となった、現代の知の巨人ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、著書「21Lessions」の中で、毎日2時間のヴィパッサナー瞑想をおこなっているという話があります。彼は著書の中で、瞑想なしには自身の頭脳の明晰さとサピエンス全史の誕生はなかった、と述べています。
私自身もマインドフルネスを実践していますが、何も物を持たずに行えるのがありがたいです。また、どこでも実践可能です。私は電車の中、会議中、ベッドの中などで実践しています。実際の効果として不安の軽減や、集中力の向上を実感しています。
Ⅰ 最後に ー転ばぬ先の杖ー
以上、今回は「コロナ鬱」についてまとめました。
ぜひ、このご時世ですが、みなさまが心身ともに健康であることのお役に立てれば幸いです。
また、僕のブログで「自粛疲れ」と「コロナ鬱の症状」についてもまとめています。
ぜひご参照ください。
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