旅の帰りの電車の中でモヤつく

2泊3日、人生初の一人旅@岡山・広島も、残すところ半日。
あとの予定は、新幹線のサイコロ切符がある倉敷まで鈍行で戻り、倉敷のまわりで少しぷらぷらして、大阪に帰るのみ。

前回のnoteは1日目の夜にバーで書いたので、2日目と3日目午前中のことを書き残しておきたい。

2日目にnoteを書かずに済んだのは、人と会っていたから。広島に住むラジオリスナーの友達と初めて会った。1箇所だけ、行きたかったブックカフェという目的地があったが、前後あわせて数時間はその友達に広島観光に付き合ってもらう形になった。

人生初、路面電車に乗り、中学生ぶりに原爆ドームを見た。原爆ドームってこんなに近くで見られるものなのか、と思った。

それから目的地のブックカフェに行き、またふらふらと歩いて広島城を見て、商店街を歩いた。広島城を見て、「わぁ、城だなぁ」という感想しか出てこない自分が無知すぎて悔しかった。日本史を勉強したらもっと楽しめるのかもしれないが、いつもそう思うだけで何も行動しない。

ちなみに家の近くに国宝・彦根城があるが、彦根城を見ても「わぁ、城だなぁ」という感想しか持たなかった。そのときも日本史を勉強したいと思った。

夜はもう一人のラジオリスナー友達と合流して、広島風お好み焼きを食べた。ラジオイベントにも行ったことがないので、リスナーに実際会って話すのは貴重な経験。楽しかった。

私は大阪出身なのでお好み焼きにはこだわりを持っていて、真のお好み焼きに麺など入っていないと言い張って広島県民とバチバチした、と書きたいところだが、麺の入ったお好み焼きも美味しかったし、バチバチもしなかった。ただ、麺を切るのが大変で、なんでわざわざお好み焼きに挟むんだよ、とは思った。

夜は、TBSラジオJUNK 山里亮太の不毛な議論。真夏の大喜利甲子園が開催される日だった。ゲストハウスに泊まっていたので、他の宿泊客が寝静まったあとに共有スペースを占拠し、ラジオを聴きながら生で出題される大喜利に回答し続けた。

旅先でやることではないかもしれないが、めちゃくちゃ面白かったし楽しかったし、家で参加するよりも高揚感があった。家で参加したことはないので、来年確かめたいと思う。

ラジオを聴いてホカホカの状態で明け方に寝床に着き、朝8時に起きて眠い目をこすりながら次なる目的地へと出発した。

五日市にあるミナガルテンという場所で、サンクスマルシェが開催される日。これに合わせて今回広島に来たのだった。

ミナガルテンについてはまた別で詳しく書くとして、ここでの私のムーブは割と理想に近いものとなった。

初日に商店街をうろついてどこにも入れなかった私が、バーで一言も話せなかった私が、この場所では主催者の方に挨拶をして出店者さんとお話をして、ちゃんと楽しむことができた。

そして帰りの電車。車窓から外を眺めながら、モヤモヤと闘う。言語化できない、なんか頭が爆発しそうなくらい大きなモヤモヤ。

私は学生時代に縁があった滋賀に移り住み、滋賀県内でいろんな場所に行き、人と話し、やっとどこに行っても場所見知りをしないようになってきた。

滋賀を出た私は完全に一人ぼっちで、知り合いがいないと何もできなくて、どこへ行っても客観的に自分を見て落ち込むばかり。

私には兄弟がいないし、仲の良い親戚もいない。長年の親友だって、いるだろうかと考えてしまう程度にいない。親が生を全うしたあとに頼るあては、ここ数年間で築いた交友関係しかない。

一人でも生きていけると思っていた時期もあるが、最近の自己分析によると私は人以外への関心が異様に薄くて、何か物事に没頭することも少ない。

人と関わりながら生きていきたい、人と交わりながらしか生きていけないのに、場所見知りと人見知りが激しくて、人と深く関わることに怖さを感じてしまう。

どうして生きていこう。脳裏に、心を許している(かもしれない)友人の顔を何人か思い浮かべる。彼等は、どう生きたいと思っているんだろう。私は、何も知らない。

自分の価値観や、存在意義や、将来の見通しが何もかも見えなくなってきたところで、倉敷に着くアナウンスが流れる。自分探しの旅という言葉に嫌悪感を抱いてしまう私の歪んだ心は、まだ正されていないようだ。

私こそ、自分探ししないといけないはずなのに。というか、旅先でnoteを更新している時点で自分探しし過ぎているくらい。

これまで他人に向けてきた歪んだ気持ちの矢が、自分に翻る。

一人旅はなんの意味があるの？
自分探し？自分なんて落ちてないでしょ。
なんか旅するの正当化してるだけじゃないの？
旅して何か変わったの？詳しく聞かせて。

グサ、グサ、グサ、グサ、、

分からない。
何もわからないけど、今まで考えなかった次元のことを今考えていることは分かる。多分、何か変わっている。何が変わるのとか、聞かないで。

さぁ、自分探しの一人旅もあと少し。何か、分かると良いな。いや、分からないことが増えるのも、良いな。