見出し画像

【表現評論】メモリーズオフ6 T-wave  コアレビューその10 鈴ルート2(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎家に帰る鈴

いつまでも世話になるわけにはいかないから、この週末に家に帰ると。志雄君が抱いてるのは恋愛感情じゃない、年上に抱くちょっとした何とかで、年齢があーだこーだであーだこーだと。でもメモリーズオフには田中一太郎さんがいるんだよね。はい論破。偏屈おかし作りおじさんとカナタの年齢差は幾つなんだよ。一回り以上離れてるだろ。7歳差で言い訳は甘え。17歳も24歳も大して変わらんだろ。おまけに少女向け恋愛小説おばさんだし。

鈴は色々と勘違いさせるような行動を取っていたわけですが、志雄君が無理してるようで放って置けなかったと弁解しています。最初から離すつもりなら手なんか握らないでよ! って縁さんも言ってたでしょうが。責任から逃げるな。

⚫︎送別会

焼き鳥屋で最後の晩餐。ここで行き倒れの真の理由が開示されます。開示というほどのものでもない。昔好きだった人が結婚したからという理由で、永遠に走り続けて行き倒れたらしい。24歳乙女か! さすが恋愛小説作家。

そこから話題が智紗を振ったことに飛びます。

「バカだなぁ。キープしとけば良かったのに。それとも、私を確実に口説き落とす自信があったの?」

メモリーズオフ6 T-wave

主人公は正義じゃないといけないからね。キープなんて出来ないんですよ。勝算がなかったとしても、背水の陣を迫られるのが主人公の辛いところ。志雄君は恋愛は確率でするもんじゃないだろ、という明言を残してるくらいですし。まさか彼女をキープしながら他の女に乗り換えようとした主人公はいないよなぁ。サッカーコートの方に見えた気がするけど。

翌日目が覚めたらすでに鈴は帰っていました。終わり。

⚫︎智紗と和解?

鈴がいなくなったから何もやる気せんわ、と文化祭の準備をサボろうとしていたところに、今まで智紗がやってきます。何やってんの。塚本君が来ないとみんな迷惑するんだよと。病気じゃないなら早よ来いと。仕方ないのでついていく志雄君。

「……ごめんね」

「この前、ひどいこと言っちゃって……」

「私に、あんなこと言う権利、ないよね」

「ちょっと八つ当たりっぽいなって、自分でもわかってたんだけど……止められなくて」

メモリーズオフ6 T-wave

謝れてえらい。志雄君もちゃんと謝れてえらい。と言うことで仲直りします。秒速仲直り。まあ人間なんでね。ちょっと沸騰することくらいありますよ。ちょっとした沸騰で決定的に仲違いすることなんてよくありますからね。俺が悪かったという自覚を持って、他人を許せることは重要です。一生許せねえ、ってなるやつは、人間関係が続かないタイプかもしれない。人間関係が続くのがいいことなのかはわからないです。人間関係には賞味期限があると言ってる人もいるし。ブチ切れまくりながらコロコロ人間関係を定期的に入れ替えるのも、一つの処世術ではある。

⚫︎鈴の小説

りりすが貸してくれた小説。本人のパーソナリティとはかけ離れた、ベタベタな恋愛小説らしい。書いてるのは教師と女子高生の恋愛物。9歳差。これって本人の体験談じゃなかったっけ。確か。そんなもん書いてんのに、年齢差を理由に受け入れないとかあってはならないだろ、と思ってもおかしくはない。この手の話よく聞くけど、本当に先生ってモテるの? モテるやつが先生やってるだけなのでは? 岡田斗司夫が提唱する、ミスドの店長が女子高生にモテる理論と同じなのか。ミスドの店長と違って手を出したら終わりなわけですが。いや、ミスドの店長もアウトだけど。

⚫︎高校時代の鈴さん

高校時代の先生の告白する場面。これ誰だよ。マジで。澄空の制服着ててツインテールで誰か全くわからない。読者の総ツッコミが発生したと思われるシーンです。誰だよお前、と。でも信が真面目ちゃんだって言ってたからね。それを思うとイメージ通りかもしれない。先生からは年齢が違いすぎてそういう目で見ることは出来ないと言われたとか。良識のある素晴らしい先生じゃないですか。

鈴としては、志雄と鈴の関係が成立するなら、なぜあの時の先生と自分の関係は成立しなかったんだ、となってしまうのが、納得いかないらしい。理不尽だけど、本人がそう言ってるからどうにもならない。どんだけ先生好きだったんだよ。

最後は先生から自分に天秤が傾くまで待ち続けますよ、ということで終わりました。なんてあっさり。ぶつ切りエンドです。ED曲は素晴らしいですね。田中理恵さんの歌。

⚫︎エピローグ

鈴が再度部屋に入居してきます。私が来た、それが答えだと。どれだけ待ってたのかがよくわからないですね。根気強いと言ってるので、半年か1年くらいは待ったのか。まあ細えことはいいんですわ。とにかく私が来た、で終わりです。

⚫︎鈴ルートまとめ

結乃ルートがかなりの出来だったのでこっちもそれなりに力入ってるのかな、と思ったけど、かなりあっさりでした。記憶通りにあっさり。サブヒロイン格差がある。毎回年上枠のシナリオ短くない? そうでもないか。瑞穂は結構長かったし。静流もそこそこだったし。小夜美と鈴は短すぎませんかね。信の姉というポジションにしては微妙な扱いだった。

内容は短いことを除けば、あとぶつ切りエンドだったことを除けば、そんなに悪くもなかったです。ひたすら甘やかされるだけのシナリオなんだけど。メモリーズオフらしさがあったと言われると微妙です。それは結乃も同じなので、T-waveはライトな設計なんでしょうね。それでも他の三人はそれなりに重い要素があった気はしますが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?