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【無料記事】ウルトラセブン

なるくに様の素敵なイラストを使わせて頂きます。ありがとうございます。

私が子供の頃に見て非常にショックを受けたのは、『ウルトラセブン』(一九六七年)の『ノンマルトの使者』というエピソードです。

海底人ノンマルトが地上を攻撃してきて、地球防衛軍のウルトラ警備隊と宇宙から来たヒーローであるウルトラセブン(主人公モロボシ・ダン)が阻止する話ですが、このノンマルトが実は地球の先住民族らしいという設定なのです。  

これは非常に政治的な裏目読みのできる話で、つまり、私たち人類の方が宇宙からの侵略者で、真性の地球人(当時の原地球人)であるノンマルトは人類に追われて海底に逃げ延び、細々と暮らしていた。

それが海底まで開発しようとする人類に最後の抵抗を試み、結局は正義の味方であるはずのウルトラ警備隊によって「殲滅」させられてしまうのです。  

ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長は「これで海底も我々人間のものだ」と叫びますが、本当にそれでいいのかと問いかけるような終わり方になっていて、前の回まで子供たちが信じていた正義と悪の概念が完全に逆転しています。

「萌え」の起源 時代小説家が読み解くマンガ・アニメの本質 (PHP新書)』鳴海 丈著

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