朝、桃をむきながら思い出したこと。
クーラーが効いた部屋で、赤川次郎の本を読んでいた。
小学生だったか中学生だったか、忘れてしまった。ある年の夏休み、赤川次郎の本ばかり読んでいたことがある。
生まれて初めて読むミステリー小説で、ドキドキしながら夢中でページをめくり続けたことと、ソファーに寝そべりながら、時間を気にせず好きなだけ本を読むことができて、自由で楽しかったことはハッキリ覚えている。
読み終わると、自転車で5分くらいのところにあった本屋へ。まだ読んでいない赤川次郎の本を探して、一冊だけ買って帰る。それを何回か繰り返した。
本屋の棚からなかなか取り出せなかったのが「死者の学園祭」。タイトルがなんだか怖くて買えずにいた。でも、やっぱり読んでみたくて恐る恐るレジへ。
本屋までは小さな坂があり、帰りは上り。真夏の太陽が登り切る前の午前中、自転車を立ちこぎしながら急いで家に帰った。
まさか、そんなことが思い出になるなんてね。当時は1ミリも思わなかった。
さっき、桃をむいていたら、何十年も前の夏の日のことがよみがえってきました。
私が通った本屋は今、思えば小さな店だったな。
だけど、当時は近所で一番大きな本屋で、小説だけではなく、アイドル雑誌やファッション雑誌を初めて買ったのも、その店だった。今は、もうない。とってもお世話になった店なのに、閉店したのがいつかも知らない。
今日も暑くなりそうです。
久しぶりに「死者の学園祭」を読み返してみようと思います。