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日々の臨床の振り返り

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経験はスルメです。噛んで噛んで旨味が出てくるまで噛んで見ましょう。日々の臨床を振り返り、明日以降の自分にとっての学びとします。
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記事一覧

振り返り19 一過性全健忘(TGA)とその鑑別疾患

救急外来でたまに出会う一過性全健忘。 それに類似した記憶障害の症例を救急外来で研修医から…

すみさん
5か月前
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症例15のその後 Ilioinguinal nerve entrapment(腸骨鼠径神経の絞扼)、carnett徴候…

症例15のその後の経過です。 症例は右側の慢性陰嚢痛+右腰部〜下腹部がある男性でした。 症…

すみさん
5か月前

振り返り18 便秘症は訪問看護の導入のしどころ?

訪問看護の導入の目安は案外難しい。 分かりやすいのは①内服管理②疾病管理に在宅での専門職…

すみさん
7か月前
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症例振り返り17 頭部外傷で見落とすと危ない首のこと。外傷性頚髄損傷は骨折がなくて…

月1回の日直にいってきました。 救急外来はコロナとインフルで賑わっています。さすがに発熱…

すみさん
8か月前
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振り返り16「胃粘膜下腫瘍」「高TG血症」

「その場の1分、その日の5分」を目標に雑多に振り返っていきます。 胃のSMTの取り扱いSMTはGI…

すみさん
8か月前

症例振り返り15 慢性陰嚢痛で陰嚢外の原因を探る

症例 50歳男性 生来健康で手術歴のない方の右下腹部痛。 2-3カ月前に右腰部痛が先行。 1月前…

すみさん
8か月前

症例振り返り14 その高Ca血症はPHPT?SHPT?

また電解質の悩みです。高Ca血症について、VitDが測れるようになってそのアセスメントがよりややこしくなっているんだと思います。 Caの動態についてCaの99%は骨にある 血中Caの40%はアルブミンと結合している Caの変動に関わるのは副甲状腺ホルモン(PTH)、VitD、カルシトニン PTHの作用とフィードバック機構 PTHは基本的に血中のCaを上げて保つホルモン 作用は主にPを上げず(どちらかというと下げて)にCaを上げる 機序は ①骨からPとCaを血液に動員

症例振り返り13 低K血症はK動態を考えないと面白くない。偽性アルドステロン症を深め…

電解質異常の診かた。なんとなくできるようになって日々流れて行ってしまうことが多いですがき…

すみさん
10か月前
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症例振り返り12 甲状腺クリーゼ

前回の記事で髄膜炎対応について書きましたが、知識を得るとそれに引っ張られて色々見えなくな…

すみさん
1年前

症例振り返り11 髄膜炎対応

救急外来に出る医師は誰もが髄膜炎の初期対応はできないといけません。 初期研修医の先生方は…

すみさん
1年前
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症例振り返り10 蛇咬傷

自然毒は苦手な人が多いと思いますが、僕も苦手です。 田舎にいる限りは基本の対応を知ってお…

すみさん
1年前
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症例振り返り9 赤沈と脊椎インプラント感染

赤沈のベースラインは判断に困る 赤沈はリウマチ疾患や膿胸などでの病勢の評価に使われるもの…

すみさん
1年前

症例振り返り8 肋骨骨折に伴う外傷性血気胸

2日前に胸部打撲し肋骨骨折と診断されていた方が今朝から呼吸が苦しいとのことで受診。CTでは…

すみさん
1年前

症例振り返り7 アナフィラキシーでのグルカゴン

蜂刺傷でのアナフィラキシーショックを続けて経験しましたが、アドレナリンの効きが悪くてグルカゴンに初めて手を伸ばしました。 症例 男性 蜂に手を刺されて、その数分後に体調不良が出現してwalk-inで受診。 来院時は冷汗、全身皮疹、収縮期血圧90台。 この時点でアナフィラキシーショックと認識されてアドレナリン0.3mg筋注+生食全開投与が行われました その後も血圧がいまいちで、10分後に再度アドレナリン筋注。 しばらくして血圧130と上昇してきたため、経過観察入院。