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【復刻版】核の黙示録・汚染された北の大地 【第2回 誰でも入域可能、核廃棄物の捨て場】

【この記事は復刻電子版です。最新の記事・情報ではありません】1993年に取材。集英社・週刊プレイボーイで連載した記事を編集しました。

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「旧ソ連邦時代から日本海と北極海に核廃棄物を捨て続けてきた」この春、ロシア当局が発表した海洋投棄の実態は、さまざまな点で日本に衝撃を与えた。原子炉やその部品を海に捨てていたという国の核廃棄物の管理はどうなっているのか。今回はラトビア共和国の原子炉など、いくつかの現場を報告する。
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30個の原子炉を海に捨てた

日本海に、旧ソ連邦の核廃棄物が捨てられていたことを初めて明らかにしたのは、環境保護団体『グリーンピース・ロシア』だった。グリーンピースの調査船『虹の戦士』号および『ソロ』号は極東と欧州極北部を調査してその結果を発表した。1992年10月30日のことである。

その1週間前の10月24日、ロシアのエリツィン大統領は、核廃棄物の海洋投棄についての政府特別委員会を設置する大統領令に署名していた。
この時期、日本は、フランスに再処理委託していたプルトニウムが返還される直前だった。フランス政府は日本政府の秘密主義とは別の立場をとり、秘密とされていた情報の一部を公開した。

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