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【SF小説企画はじめます】未来(いつかは)、どうしてる?

◆2022年1月15日~
◆100本を目標にSSSF(ショートショートサイエンスフィクション)を投稿する

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日々、いたるところで「未来」の話がされている。
いや、思い返せば子どもの頃からずっと未来の話をして、させられてきた。

「将来の夢は何?」
「どんな学校に行きたいの?」
「これからの時代はこうなるから」
「未来にはこんなことはなくなっている」
「時代から取り残されないように」
「いつか世間の評価は変わるから」

それだけ、未来のことを考えて、意識して、向き合って、ぼくたちはその未来にたどり着けたのだろうか。

2020年、世界を巻き込んだパンデミックは、ぼくたちの「未来」をまるごと変えてしまうほどの衝撃を、ぼくたちの「今」にもたらした。
あのとき見ていた「未来」はまだそこにあるのだろうか。

今がそっくり変わり、未来の見通しが立たなくなった時代に、ぼくは会社をつくった。
試行錯誤し、苦しみながらも、出来ることを一つ一つ積み上げていくなかで、何度も「起業家」や「経営者」の役割について考えた。

デザイナー、エンジニア、営業、人事、マーケター、経理、編集、ライター、様々な職種がある中で、起業家とは経営者とは一体何のプロフェッショナルとして生きていくものなのか。

その一つの答えとして、「未来の専門家」であることを自ら定義することとした。
どんな逆境でも、目の前のことが苦しくても、ぼくたちは常に未来のことを見なければならない。
つくりたい未来のために、自分たちがこうあるべきと信じる未来のために、こうはなりたくないと思う未来を回避するために。

数値では表すこともできないほど数多くの選択肢と未来をかいくぐって、ぼくたちの未来は出来上がっていく。

フィクションは、誰も救えないかもしれない。
そこにはなんの真実も、事実もなく、ただの妄想だけが書かれているかもしれない。

けれども、「人類がゆるやかに、たしかにダメージを受けるウイルス」というフィクションと「トライアンドエラーを繰り返すことでしか切り開けない」ひとつの絶望とうっすらとした希望が重なったものが、現実に降り掛かってきたいま、改めて未来のことを考えることは可能性を向き合うことにほかならないのではないだろうか。

選ばれなかった未来に、選ばれるかもしれない未来に、たどり着かないかもしれない未来に、たどり着いて欲しい未来に、決してたどり着いて欲しくはない未来に、思いを馳せながら、ショート・ショートのSF作品を毎日投稿して、多くの人に一日の中で一瞬だけ「未来」を考える時間を共有出来れば嬉しく思います。

文・ニシオヒカル
イラスト・セト

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