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競合は、いたほうがいい。

なぜ秋葉原に電気屋が集まるのか?
あえて競争の激しい場所に出店してお客さんの奪い合いをするよりも、競合のいないエリアに出店したほうがいいように思えます。

「温泉街」とか「問屋街」も同じくで、同じエリアに同じ業種が並んで集まるのはなんでか? 考えたことはありませんか。

1つには、消費者側のメリットとして「比較購買」ができることです。
お買い物をするとき、複数の店舗を回って比較できた方がいいですが、
わざわざ電車で別の街に行ってまで比較しようとは思わないですよね。

そしてもう1つが重要なのですが、
それは「その街にいる「家電を買いたい人」の人口を増やす」という目的です。
小さなお店が1つで集客をするのは大変ですが、集まって集団になれば、
なんかその場所が盛り上がっているような感じがしますよね。

「興味のある人を増やす」
・・・これを「集積効果」と言っていて、「ここに行けば、自分が探しているものを買える」と考えて、人々はその場所や地域に行きます。

同業が多く集まった場所では同じ目的を持った人が集まるようになるため、
集客効果で売上を伸ばすことにつながります。
いわゆる「業界をみんなで盛り上げよう」というやつです。

業界で孤軍奮闘していたところに、チラホラと比較されるようなプレイヤーが現れたとします。そんなときの精神的な効果として「独りじゃない感」を感じられるということがあります (僕自身、これまでに何度も経験があります)。
孤独状態でお客さんから「何それ?」と遇らわれるよりも、お客さんが「比較購買」できるようになることで多角的にその商品の良し悪しを把握できるようになった方が確実にいいです。

金を掘りに行ったとして、周りに誰もいなければ本当にそこに金が埋まっているか不安になりますが、
1人2人とスコップを持った人が現れてくれれば、なんだか本当に金が見つかりそうな確信が湧いてくるじゃないですか。
それによって今度は、「ライバルの広告投資をアテにして市場を耕してもらう」といった戦略も取れるようになります。

敵さえも味方。うまく付き合っていきたいものですね。

(この記事は、2021年5月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)


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