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賽は投げられない【全文公開】

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我々は自らの脳の想像力、機能をかなり過信しているが、当然できることとできないことがある。

実際にその峻別作業をしてみると、結構面白いことにたくさん気付くことができる。

たとえば、ほんの一例であるが、脳にはおそらく「無秩序」そのものの機能は無い。

思考とは、本質からして、エントロピー増大に抗うことそのものなのだろう。

思考とは初めからバイアスの言い換えでしかないということだ。

もちろん、ランダムという概念自体は脳内にある。

だから、脳内でサイコロを作ることはできる。

しかし、脳内でそのサイコロを振ることはできない。

できると言うなら、僕が脳内でサイコロを振るので、賭けをしても良い。

冗談はさておこう。

その一方で、外部で十分な試行回数サイコロを振れば、今度はその結果がまた脳内に現れる。

うまくできている。

ここに大きなカラクリがある。

サイコロを一回一回振ることは、身体性の別名であろう。

サイコロを一万回振ることは、身体から切り離されている。

「数」とはそういうものである。

さて、僕と皆さんはつながっているのか、切り離されているのか。

ここは一つ、サイコロを振って占ってみようか。

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