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「ないものねだりの君に光の花束を」を読んだ

「ないものねだりの君に光の花束を」
汐見夏衛  角川書店  を読んだ。

すべてにおいて普通で個性がないこと(永遠の脇役)がコンプレックスの高校生・影子。
同じクラスには影子とは違い、すべてにおいて特別で〈永遠の主人公〉な真昼という同級生がいた。
彼は大人気アイドルグループのメンバーで、学校でも人気者。
そこにいるだけで目立つ彼は、影子とは別世界すぎて同じクラスなのにほとんど話したことがなかった。
だが、ひょんなことがきっかけで一緒に図書委員をすることになり、真昼の陰の部分を知ることに……。
君も誰かにとっての「特別」であることに気付いたとき、世界が眩しく思えて、きっと涙が止まらない――。
(KADOKAWAより)

図書館で借りた本なんだけど、かわいい絵の表紙だったので、末娘が先に読んでた。

口の悪い末娘曰く、「思春期の陰キャが好きそう」「だから、お母さんも好きそう」

まぁ、私は思春期ではないし、陰キャでもないがな。陽キャでもないが。

普通の女の子とアイドルで性格も成績も良い完璧な男の子との交流。

普通である女の子は、普通であることを不満に思い、特別な存在である男の子は普通を欲する。その普通は、決して手に入らない。
そのことを知ると、普通はかけがえのない特別で出来ていることに気づく。

良いお話でした。


少々ネタバレ。


思春期の陰キャでない、大人の私からすると、この本から受け取るメッセージは、ネットの無責任な発言や虐待の問題の方が強い。

「でも、虐げられてる子どもは、なかなか外になんて出てこない。出してもらえないし、出ようとも思わない。世間に何にも期待なんてしてないから。救いを求めたら、声を上げたら誰かが助けてくれるなんて、ちっとも思ってないし、思いつきもしないから。」

「何も言ってこないから、きっと大丈夫なんだろう。」というのは、見ない振りの言い訳に過ぎないんだな。

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