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「うつくしが丘の不幸の家」を読んだ

「うつくしが丘の不幸の家」 町田そのこ 東京創元社 を読んだ。

見知らぬ他人から、買ったばかりの家を「不幸の家」と言われたら。
自分の状況が思うようにいかないと、原因をこの家におきたくなる。
でも、隣人の話を聞くと、ガラッと見え方が変わってくる。
そして、この家に住んだ家族の物語を、一家族ずつ遡っていく短編集。

どの住人も思うように生きていけないものを抱えている。それを不幸と呼ぶならば、不幸なのだろう。
しかし、ここでの登場人物は、その不幸を乗り越えて、この家から出ていく。
不幸を嘆くのではなく、ちゃんと向き合って。

嫌なことや問題なことからは逃げたしたい私。
自分が我慢すれば…
とりあえず、そのことには触れず、様子を見よう…
それでは、幸せにはなれないのだ。
そうやって、ごまかす時間があってもいいと思う。でも、最終的には向き合わないといけないんだよね。向き合ったからといって、自分にとって良い結果になるとは限らないけど、ケリはつく。そこから、どう次の一歩を踏み出すか…

エピローグが素敵な終わり方なので、題名とは程遠い読後感で、良かったです。。

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