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私的楽器論 キハダ 呪いの儀式用の楽器に違いない

タイトル画像:ネコとカッパが月夜に怪しい踊りをしてるイラスト。きゅうりがお供物


世の中には様々な楽器があります。

楽器は、今は楽しみや芸術の表現に使われますが、昔は、戦争や儀式などにも使われました。

今も儀式には音楽は使われてます。オリンピックの開会式の音楽なんて、その延長ですかね。

今回紹介するのは、儀式にしてもきっと呪いの儀式に使ったに違いない、という見た目の楽器。もちろん、普通に売ってます!

そんな楽器をブログで紹介してます

写真を見ていただければわかるかもしれません。

動物のホネそのもの、なのです。それが派手な色彩に塗られて、怪しさをさらにアップ。

原始人が獲物のホネを叩いたら音が出た!みたいなところから、ほぼ進歩を止めてるような楽器です。

どんな楽器?

形は、草食動物の下顎の骨、そのもの。

真上から見ると、アルファベットのUか、Vの形。縦方向の長さは30cmはある結構大きくて重いもの。

そこに奥歯が何本も根本の方にはえてます。この奥歯は、あごの骨に対して、ゆるゆるなサイズ。それが抜け落ちないように、針金であごの骨に止めてあります。

ここまで見た目。

そして、演奏法。

このあごの片方をぶっぱたくのです!そうすると、ゆるゆるの歯が、あごの骨の振動に合わせて、ガタガタと音を立てる。

なんて原始的なんでしょう。そして、何かこちらも原始のDNAの血が騒ぐと言いますか。

いったいどんな目的でどうやって音楽に絡むのでしょうか。

現代版で謎が解ける

ハンバーグ師匠が持っているアレ、です。

ビブラスラップ、という商品名で有名。

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画像:ビブラスラップ、でイメージ検索した画面のキャプチャー

良く見ると、他の検索ワードに、

・キハーダ
・ハンバーグ師匠
・時代劇

というのがありますね。

有名なのは北島三郎さんの与作で使われてます。「カーッ!」って感じの音。ちなみに、本家のキハダ(キハーダ)は、「ガーッ!」って感じの鈍い音がして、やっぱり呪いをかける方向だと思います。

しかし、骨からずいぶんスマートになったものだ。

楽器は元々原始の時代から

今は芸術をエレガントに奏でる楽器も、元々をどんどんたぐっていくと、やっぱり儀式や戦争や民衆をまとめる、などの役割から発達してきました。

分かりやすいのは太鼓系

たぶん、その辺のものを叩いて音を出していたら、空洞があればより響く→そんじゃ、空洞をもっと大きく→叩かれる面をもっと震動しやすく、と発展していったと想像します。だいたい当たっているでしょう。

実際に古い戦争の現場が書かれた絵などで、馬の上に2つのティンパニのような太鼓を設置して叩いているものがあります。これは本当です。

えー、今その絵を探したのですが、ネットですぐ見つかりませんでした。

弦が鳴るタイプの楽器の元は?

色々と考えられそうですが、一つは弓。武器として作られた弓の弦をはじくと、割と澄んだ音が出る。これを並べれば原始的なハープ。

それをはじいたり、何かでこすったり、と音の出し方も増えてきて、きっと今の形になったに違いない(この辺の推測は少々怪しいので、気になる方はWiki先生にご確認下さい)。

教会のオルガンなども、儀式的

効果は大いに期待されたでしょう。空間全体の空気を震わせ、あたかも天井から音が降ってくるようなおごそかな使われ方。いや、だんだん妄想度合いが強くなってます。

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画像:いらすとやさんのパイプオルガン。楽器というよりもはや家具

吹く楽器は?

もともとホルンの語源はHorn=角。動物の角の細い方に唇を当てて震わせたら、すげー音が出た!遠くの仲間にも意思疎通できるぞ!的な「信号」の役割もあったとかなかったとかどうとかこうとか。

日本だって旧日本軍が起床、お昼、進軍、などのタイミングでストレート管のラッパを使っていました。

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画像:ピストンの無いラッパの写真。Wikiのビューグルへのリンク付き

現在の自衛隊でも使われています。

新しい原始的な楽器も

古い時代から徐々に発展してきた楽器ですが、最近産まれた楽器もあります。時代や状況を反映しているので、分かり易いかも。

スチールドラム

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画像:いらすとやさんにあったスチールドラムのいらすと。ドラム缶を上よん分の一ほどカットして、真ん中をへこませた形

19世紀のトリニダード・トバゴで、占有していたイギリスからドラムを禁止された地元の人たちが、竹の棒を使って音を楽しんだらそれもまた禁止され、それじゃ、ってんでお菓子の缶を叩いたりして、という割と厳しい現場から産まれました。

ドラム缶を修復するとき、叩く場所によって音程が違う、というところからだんだん整理されてきたようです。

名前もまだ整理されてなくて、

スティールドラム
スティールパン
スティールなのかスチールなのか

といったバリエーション付きで呼ばれてます。

カリンバ

親指で鉄の棒をはじく、両手で持つ小さい楽器。親指ピアノ、などと呼ばれています。カリンバは商品名。

ジンバブエのショナ族古来の楽器、とネットで調べてみて分かりました。3000年前までさかのぼれるそうなので、そうなると、鉄の棒は無かったので、竹や木が震動するように作られていたのでしょう。

オリジナルは古いのですが、現在の鉄の振動アイテムが使われるようになったのは比較的新しいと考えられます。

タイヤのスポークなどが使われている楽器も多く、比較的簡単な構造だったので、あちこちで色々なバリエーションが作られて、「アフリカ」という音がします。私の主観ですが。

楽器を発明したっていいんだよ

オセロゲームは日本人の発明です。

新しい楽器は電子的なアプローチまで入れれば、20世紀だけでもずいぶん出てきたと思います。

古いルーツの楽器のリニューアル、全く新しいアプローチ、も含めて、楽器を作ることもなかなか楽しい世界です。なんせ、楽器メーカーに就職活動してたこともありますから。

そんなわけで、少々語りすぎた。

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