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チェロ 男?別に。頼らなくたって生きていけますもの。

チェロ奏者は姉御肌、というのが自分のイメージです。

同じ弦楽器姉御組合では有名なバイオリンの高嶋姉御と違って、内部に向かった圧が強い感じです。

もちろん私見です。

オケでご一緒


これまで、ビオラ→バイオリンと書いてきたので、チェロ、とつながります。

 バイオリン、ビオラと同様、チェロも割と詳しくなく、オケ時代の印象中心に勝手に書いている事を重ねて申し上げます。怒らないでください。

この「姉御」のイメージ。

オケで印象的だった女性奏者を頭い思い浮かべ、勝手なイメージを持ってまして、表題につながっています。

理由は演奏のスタイル。

この楽器は、お嬢さん的に座って弾けません。ヨイショとガニ股になります。

さらに、結構ダイナミックに楽器を扱うイメージ。演奏者個人の性質じゃないです。4つの弦に平等にアクセスしようとすると、楽器も動かしつつ、自分も動くのです。

楽器ゆえにそうなってしまったスタイル、それだけなんですが、

・ダイナミックで
・どっこいしょ、的な演奏姿で
・そこどきな!的な大きさ

などがミックスされて、そんなイメージに固定されました。

楽器も自立型

楽器としても『自立』感があり。

もちろん手を離したら倒れますので、そういうことではなく、音楽的特性です。

楽器としては、十分な低域があり、個人的にはこの特性が好き。このマガジンでも何回かその話をしてますが、低音は特別な意味を持っていると思います。

高音楽器だけの編成は、リスニング対象としては成立しにくい、と考えています。

ミニマムにしていくともちろん1番シンプルなのはメロだけ。しかし、音楽を構成するには、次に欲しいのはベース音。 邦楽はこの辺りの法則になぜか反して不思議な構成多いです。

チェロは十分な低域を持ちつつ、きらびやかな高音も出せる。まずは音域的にかなり表現幅が大きい楽器。

この低音がしっかり出せる特性と、このあと述べるもう一つの特性で、「無伴奏」というジャンルが成立します。

LP版も。

サイズ感は問題

ここまで良いことを並べてますが↑。

若干の問題もあるかと思ってます。それは、サイズ感。

音域的にはバイオリン→ビオラ→チェロ、の並びで来るのですが、前の2つに比べてサイズ感がいきなりここでジャンプアップ。

1オクターブ低い音を出すと、弦の長さが2倍になるので、当然です。

面白い形にならざるを得ないケース

バイオリン、ビオラはかろうじて四角いケースにすることもできます。

でも、チェロは厚みも倍以上。四角にするとデカすぎるから、楽器の外見が分かるケースに。

ちまたでは、千と千尋の顔なしと揶揄されてましたが、自分は少々違います。

チェロに無理矢理チケットを買わされる千尋↑↑

妙に首の長い、スターウォーズのクローン作ってた星人っぽい形に見えます。

或いは菜々緒と言えるかもしれません。 

あ、スターウォーズに出てきたのは名前を思い出しました。ケルミアン。評議会にも出席してる重要なキャラでした。

ケルミアン



強烈な思い出

中学校の吹奏楽部の卒業公演的なやつだったか。

校長先生がチェロを趣味でやっていて、どうしてもステージに立ちたい(チェロですので座ってますが)、ということで参加。

ここで、相当なほほえましいレベルの演奏が繰り広げられました。

これ、悪い話のつもりじゃないです。

音楽は、楽しんだもの勝ち。変に格好つけるのではなく、生き生きと自分を表現した。それが多少よたよたしていても、それも含めて伴奏側も観客もみんなが笑顔になりました。

サン・サーンスの白鳥だったかもしれない。

チェロ=楽しい

はかなり強烈に刷り込まれたわけです。

目が見えない友人

全盲の友人がいました。彼とは、色々な話をしながら、趣味の話も。彼に音楽も勧めたりしました。

結果、彼が選んだのがチェロ。ポジションを考えると、元々フィンガリングを目で追うようなスタイルでもなく、楽譜をどう伝えるか、の部分をクリアすれば特に困ることもありません。

耳はある意味、晴眼者よりも優秀に使いこなしている彼ら、うまく導入と運用ができれば、優秀な演奏者になる素養もあります。

今も視覚に障害がある人たちとのやり取りは色々とあって、彼らにうまく演奏という楽しみも伝えたい、と思っています。

欲しいぞ

普通に魅力のある楽器なのですが、特にこの楽器のサイレントシリーズが本当に便利&格好いい!!!

削ぎ落しの美学といいますか。このフォルムでこの音、というギャップも格好いい。スターウォーズで中型輸送機として出てきそうなフォルムです。

余談ですがサイレントシリーズの出来は物凄いなーと思ってまして、まずお金ができたらサイレントベースは買うつもりですが、次に買うのはこれかも。

無伴奏の曲が成り立つもう一つの特性

まずは音域というところでの「一人で生きていけますもん」という説明をしました。もう一つの特徴により、この無伴奏が成立します。最後にそれを。

それは、サスティン。

楽器の演奏をやめても、楽器が余韻の音を出す。ボディの小さい楽器、振動が残りにくい楽器は、吹いたり弾いたりをやめたら音がいきなり消えてしまう場合があります。

チェロは、箱の大きさ、弦の長さ、励起されたエネルギーの保存状態、などが色々と理想的にバランスを取り、ソロで演奏しても、自分が少し前に弾いた音が残った状態が作れます。

バラバラに弾いた音が次々重なり、和音として響く。

そのため、チェロは無伴奏の曲も優秀なものが多いし、実際リスニングにも心地よい。楽譜もCDもたくさん選べますね。

ということで、「一人で生きていける女の話ではなくチェロの話」でした。


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