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春に子どもたちを思う

この4月に学童クラブより保育園に異動になった。
もともと自分自身が小さな頃に通った園。そして、以前乳児クラスの担任をしていた園に復帰する形となった。

久しぶりの保育園勤務であり、初めての幼児クラス(3-5歳混合)配属となっての、緊張の初日。
子どもたちは明るく僕を迎え入れてくれた。

二日を終えて、改めてこの保育園を好きだなと思った。理由は本当に多岐にわたるけれども、一番は保育の流れの根本に「子どもたちの生活」があることかなと思う。

子どもたちが、したいことをしたいようにし、気持ちよく生活をする。それを僕たち保育者がほんの少しサポートする。

生活の中には、遊びや食事、睡眠、排泄や片付けなどがある。その活動の中で、子どもたちが困ったことがあったり、葛藤があったりした時に、ほんの少し手助けし、自分の力で解決できるようにする。

ルールは、「ルールだから守らなければならない」のではない。「片付けをしなくちゃいけない」のではない。子どもたちが気持ちよく過ごすことが何より大切だから、不要な片付けなら求めない。でも、みんなが気持ちよく過ごすために必要な時には、それを伝えてみんなで片付けをする。
昼寝も「しなくてはいけない」のではない。気持ちよく眠れる環境と空間を整えて、自分で眠りたいように眠る。寝たい時もあれば、そうでない時もある。寝た方が健康上よいことは理解しつつも無理強いはしない。

抑圧もされなければ、大きな声を上げる必要もない。みんながお互いに気持ちよく過ごせることを大切に思っているから、子どもたちも大人たちも穏やかに生活が出来る。

そういったことの積み重ねがあるから、子どもたちは笑顔で僕を迎え入れてくれたように思う。

大人本位ではなく、子ども本位。当たり前のことだけれど、これがなかなか難しい。

カネの匂いがしないことも、保育園では大切なことだなと思う。
この子はお金を払っているからこのサービスを受ける資格がある。あるいはお金を払っていないからサービスを受ける資格がない。

この子はお金持ちだから愛される。

そういうことではない。そんなことはあってはいけない。

子どもは子どもであり、その場にいるだけで、愛される。みんな分け隔てなく愛される。お金を持っているとか、持っていないとか関係なく。そうあるべきだ。

そういった土壌があってこそ、子どもたちの健全な生活と、心の成長は保障される。

子どもたちはこの保育園が大好きだし、僕も大好きだ。

ただ、その環境を維持するのは、大人の賢明な努力があってこそということも承知している。これまでの細やかな一日一日の日常の積み重ねを台無しにしてしまうことのないよう、僕自身も無理のない努力を積み重ねて行きたい。

愛すべき子どもたちの、気持ちの良い生活のために頑張ろうと思う。

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