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半年展 -2022 Spring- 6日目

昨日から急に暑くなってきた為、夜のうちに水出し紅茶を仕込んでいた。朝に紅茶を入れることも楽しいが、夜に仕込む紅茶も翌朝のワクワク感があって良い。
何だかんだ、会期も後半戦で明日からはラストスパートの週末である。もしかしたらゆっくり出来るのは今日ぐらいなのかもしれない、と感じ、密かにのんびり過ごそうと決意した。

引き続き、お庭のお茶スペースは日差しが強く、パラソル無しにはゆっくりとお茶も飲めないような暑さだ。パラソルの影があるだけ、かなりマシに思える。しかし、長時間いると流石に熱中症になってしまう危険性もある為、大人しく展示会場でお客さんが来る時を待つ。

最初のお客さんが来たのは午後12時を回ったぐらいの頃だった。同じ職場で働いている大学院生の男の子で、同じ集落に住んでいる人だ。車の車種から、その子が来たことが分かった私は、即座に玄関まで出ていき、「私の展示を見に来てくれたんだよね?」と聞いた。彼は「ああ、もちろんっス」と答える。
やはり知り合いが来てくれるのは嬉しいもので、私の展示を見ている彼に対して、マシンガンのように話しかける。特に彼の場合は、年の近い同じ集落に住んでいる人である為、楽しくて悪乗りをしてしまう傾向にある。その例として、彼がキャプションを読んでいても、私はどんどん話を広げようとする様子に、「ちょっと黙っててください」と冗談ながらに言われるほどだった。
彼が展示を見終わった後、例のお庭で水出し紅茶を出した。そこで、さっきまでのふざけた会話とは打って変わって作品の話になる。彼の専攻も私の観客論と近い所にある為、観客論における社会学的視点、人類学的手法の話になる。彼からは「観客論はあくまでも人類学的手法な手法で思考する、と言っているが、そもそも社会学的要素も入っているのではないか?」という指摘があった。彼の中々突っ込んだ指摘に面白く感じ、会話をしながらも「さすが大学院生だね」とほめてしまった。議論をしつつも、ふざけた会話を出来る人が普段から多いわけでもないため、このような時間は大変嬉しいものだ。

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