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新居、新生活、新社会人。とにかく無理をしないこと。

新社会人となり、毎朝7時には起きて会社に向かっている。夜の12時には眠たくて布団にすぐ入って寝てしまう生活に、きっと半年前の私は信じられないだろうと思う。

約1年前はほとんど家の中で過ごしていたのに、今の私は毎日駅までの片道約2キロの道中を自転車や徒歩で通っている。つい最近、会社の同期と会社の最寄り駅まで小走りで走ったのだが、全然平気だった私の様子に同期は「毎日歩いているから体力が付いたんだね」と言ってきた。
埼玉での滞在制作でも感じたが、新しい環境だと日々自らの力で何かが出来るようになっている事を実感する。例えば、昨日自転車で越えられなかった坂道を今日は越えられたように。

社会人になって初めての週末は借りてる畑の雑草刈りをした。しばらく耕されていなかった畑だけに沢山雑草が生えている。主にカラスノエンドウ、ヨモギ、たまに土筆、ネギ。(笑) 場所によっては苔が生えていた。
作業を始めて1時間程で、畑全体を綺麗にするのは無理があるという事が理解できた。小さくても良いから、野菜を植えて、それと並行して少しずつ使える畑の面積を増やしていく方針でないと、刈っても刈ってもキリがないように思えたのだ。

作業をしていると、隣の畑で作業するであろうおじさんと出会った。「どこから来たの?」というお馴染みの質問から、昼の12時過ぎても作業してた私を見て「お昼ごはんは食べないの?」とちょろちょろ声をかけてくれる。隣の畑には夏野菜を植えるそうだ。

雑草を耕した後は土を柔らかくするためにスコップで土を起こしていく。やはりフワフワの土とはいかず、固い。掘り起こすと、ミミズに沢山出会った。土を起こしていく作業は想像以上に重労働で、1時間も作業を行えば、履いていたスボンは汗でビジョビショになっていた。
私が借りることになっていた畑は住んでいる集落の人達の畑が集まったような場所にある。一箇所に畑が集まっている為、どのあたりで誰が作業をしているのか、よく分かるのだ。勿論、新参者の私は色んな人の視線を感じながら作業をした。目があった時には挨拶をしたりしていると、この地域の人は意外と気にかけてくれる人が多いことに気付く。

スコップで土を起こす作業をしていると、後ろから「硬いでしょー?」と女性の声が聞こえてきた。後ろを振り返ると、5m先の畑に女性がいた。私は少し大きな声で「硬いですー!」と返事をした。その女性と私は5mぐらいの距離感で「何作るのー?」「ナスとかトマトとか、夏野菜、作りますー!」「そりゃ柔らかくないといかんねー」と会話を繰り広げた。そして女性は最後に「若いし、体力があると思うから大丈夫だと思うけど、無理はしないようにねー!」と言った。そう、今の私にとって一番やってはいけないことは無理をする事なのだ。

新居での生活に、社会人としての新しい環境と、一気に物事が変化し、動き始めた。本来ならこうして日々の生活を送れることだけでも凄い事なのだ。私は自分のことをもっと甘やかしても良いのだ、と感じた。

会社の帰り、同期とたまたま同じ電車に乗った時に晩御飯の話をした。彼女もまた一人暮らしの人だった。私がふと「今日は何を作ろうかな」とつぶやいた時に「ご飯作ってんの?すごいやん。私は夜は疲れてるから冷凍パスタとかにしてる」と言った。その時に私は再度、私はもっと自分のことを甘やかしても良いのだ、と思えた。
古民家という家の空気から、なんとなく袋麺とか冷凍パスタを食べることに躊躇していた。しかし、それは本当になんとなくという感覚で確固たる理由は存在しない。初任給は5月だし、お金も沢山あるわけでもない。上手く周りを頼りつつ、出来ることを少しずつ増やしていけば、それで良い。同期との些細な会話に改めて気づきを得た。

その日の夕食に食べた冷凍パスタは絶品だった。料理を作る経験が浅いせいか、良くも悪くも素材の味を生かした薄味仕様になっている。こういう時に、やはり料理人という存在はとても偉大であることを知る。
大学院の教授から「料理が出来るようになったら面白いかもよ」と言われて、なんとなく料理系の本を読んでいた。しかし、私はまだそれらの料理本がいかに画期的な事を言っているのか知る由もない。
きっと今は土台を作っている過程の中にいるのだ。もう少し日が経てば、またきっと色んな学びや気付きを得ていく。今でも十分に学びが沢山あるが、これからも沢山の学びがあるように思えると、つくづく学ぶことは尽きない、と感じる。

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