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トマトはどうして赤くなるのか

7月に入り、暑い日が増えてきた。
例年よりも早い梅雨入りからしばらく雨が降る日が続いている。

雨が降ると、大体野菜も雑草も元気に背を伸ばしていく。そんな中でついに5月頃に苗を植えたトマトの実を収穫することが出来た。先週第一号であるトマトを収穫した後、沢山赤い実が出来てきた。

トマトを収穫するのは小学校2年生の時の夏休みの宿題でトマトを育てた時以来だ。あれから約20年。野菜の中ではあまり好んで食べなかったトマトだが、やはり収穫できたトマトを食べるのは嬉しかった。

私が野菜を育てている畑の周りには、他の人の畑が沢山あり、遠目で他の人がどのように野菜を育てているのかが分かる。最近、近くで野菜を育てるほとんどの人が鳥よけのネットを張っている事に気が付いた。
今までサクランボをついばむ鳥や電線の上から虎視眈々と食べられそうな野菜がないか探しているカラスの眼差しを見ていた為、何故鳥よけネットを張るのかはすぐに理解が出来た。

カボチャの苗が虫に盛大にやられてしまったこともあり、きっと鳥たちも徹底的にやってくるだろうと、想定できた為、私も例に漏れず、鳥よけネットを張った。
一人でネットを張る事も初めてで、あまり勝手が分かっていないため、かなり簡易的なネット張りになった。しかし、それでもネットを張った後は近くの畑の人から「鳥よけネットを張ったんだね~」と声を掛けられた。

私は今回の野菜を育てるにあたり、黒マルチなどを敷いていないため、基本的には雑草をこまめに取っていく必要がある。しかし、現実は取っても取っても生えてくるのが現状で、どこぞの自然農のような様相である。
雑草の中で野菜を育てている為、いつもはじめは野菜を見付ける所から始まった。また、種からまいたものは雑草と野菜の苗がどれか見分けがつかなくなってしまったものもある。また見分けが付いていても、誤って刈り取ってしまうことも一度あった。

普段は見付ける所からスタートする野菜作りも、面白いことにトマトの赤い実だけは当てはまらなかった。赤い見た目をしている為、緑が広がる畑の中で一際目立つ。むちゃくちゃ目立つと言って良い。

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よくよく考えたら赤は緑の補色なのだ。そりゃ目立つに決まっている、と納得しつつも、一番熟した美味しい時期になぜトマトは人間や鳥たちに見付けやすい赤色の姿に変化するのか、考えてしまった。

恐らく、トマトにおける生存戦略として人間や鳥によって実を取ってもらうことで、実の中にある種を他の場所で撒いてもらうことが目的としてあるからだろう。こうして人間や動物の力を借りて、このトマトは種を拡大しようとしているのだ。

今までも何度かそのような事を考えた事があったが、改めて野菜を育てる中で実感できた事が嬉しい。農業を通じて、雑草や野菜の生物学、生活史などにも興味が湧くようになり、日々そのような本を読んではワクワクしている。見慣れない元素記号にはサッパリだがそれでも面白い発見は沢山あるものだ。

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