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肥満傾向の方は歯を喪失しやすい?

近年の研究により、口腔と全身の健康状態には、様々な関連があることが分かってきています。


肥満も糖尿病だけでなく、 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病、心血管疾患、腎臓病、がんなど、様々な病気の重要なリスク因子であることも知られています。

この度、滋賀医科大学とサンスターが共同で、レセプトと健診データ をもとに、年代ごとのBMIと歯の本数を分析、肥満者 (BMI 25以上)と非肥満者(BMI 25未満)の歯の喪失部位の比較を行いました。その結果、40代以上の年代において、BMIが高いほど歯の本数が少ないことが判明。肥満度が高いほど、一般的に歯の喪失が起こり始める50代よりも若い段階 で、歯を喪失しやすい傾向がみられました。

さらに、肥満者は非肥満者と比較して、多くの部位の歯を失っており、30~60代のいずれの年代においても大臼歯及び上顎中切歯の保有者率が有意に低いことも判明。上顎の多くの歯において、40代で既に大臼歯及び上顎中切歯の保有者率に顕著な違いがみられ、肥満による保有者率低下の影響が最も大きく観察されたのは下顎の大臼歯とのことでした。また、肥満に喫煙習慣が加わることで歯の喪失リスクが増大し、肥満が影響する部位と異なる部位の歯の喪失にも影響を及ぼしていたとのことです。


今回の大規模研究より、『肥満者の歯の喪失を防ぐためには、生活習慣の改善による減量や禁煙に加え、喪失リスクが高い下顎の大臼歯を中心に、 適切なオーラルケア並びに早期の歯科受診・治療が重要だと考えられる』と研究者らは述べておられます。


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