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祖母への手紙

 28年間生きてきて、祖母に暑中見舞いや年賀状は送ったことがあるものの、手紙を書いたことはないんじゃないかと思う。

 だから、今日、初めて手紙を書いた。

 きっかけは、たぶん祖母が携帯を使えなくなったこと。
 祖母は元英語科の教員で、海外旅行にも一人で行ってきてしまうような人だった。
 歳をとっても同じ年齢のおばあさんよりは元気に活動していて、父が携帯を持たせたときもあっという間に使いこなせるようになった。
 だから、つい最近までメールでやり取りができたのだ。

 しかし、千葉の叔母の家に引っ越してきてからどんどん気弱になってしまい、とうとう「ぼけたかもしれない」と言って携帯を使えなくなってしまった。

 認知症になったとか、そんなことは全然ない。

 そんな祖母からここ数日、私の携帯に一瞬だけ着信……みたいなことが、何回かあった。

 もしかしたら、携帯で私の連絡先を開いて、メールを打とうとしているのかもしれない。

 想像だけれど。

 小さい頃、京都に買い物に行った時に買ってもらった便箋が残っているので、文通でもしようかな。

 まとまった時間にたくさんの文字を手で書くことって、学生でなくなると機会がぐっと減るような気がする。
 この手紙も、そんなにたくさん書いたわけではないけれど、手の筋肉の使い方というか、力の入れ方が下手くそになった感じがする。

 あとはこれに住所を書いて、切手を貼って、投函するだけ。
 数日中には届くだろう。

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