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''貴方''

寝癖をそのままに街を歩く、
乾いた喉を潤すために水を買いに。

ふと見上げた街路樹、
新緑の間に刺す光が眩しくて不本意ながら眉に皺を寄せてしまった。

目が慣れるまでの数秒間、私は夜を振り返る。

瞼の裏の景色には数千、数万という白い光があって、どれも質素な生活とは裏腹にギラギラした攻撃的な光でいっぱいだった。

心臓に右手を当て、温かい光をさがすと、左手に優しい温もりがあった。

その先に浮かぶ笑みを認識し、穏やかになる自分の心をちょろいもんだと思いながらも、この瞬間を焼き付けたいと脳みそが訴えかけてくる。

好きなように世界を見ようと必死な私。

緑が緑で無くなる。

たった一つの名前じゃ呼びきれないたくさんの緑。

全ては変な君のせいで、
全ては変な私のせい。

ただ、この思いは綺麗なもので、消極的な思いではない事だけが確かである。

光が私の進む道の先から差し込んだ。
そんな一日のそんな詩。

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