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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉⑥「挨拶(あいさつ)」

私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。

今回ご紹介する言葉は「挨拶(あいさつ)」です。3月、4月は別れ、そして出会いの季節。学校や職場など新しい環境でスタートを切る際、まずは気持ちの良い挨拶から始めてみませんか。

挨拶はもともと仏教語なのです。挨は「押す」こと。拶は「せまる」という意味から、挨拶は、前にあるものを押しのけて進み出ることをいいます。

禅家では、「一挨一拶(いちあいいっさつ)」といって、師匠が門下の僧に、または修行僧同士があるいは軽く、あるいは強く、言葉や動作で、その悟りの深浅を試すことがあります。これが挨拶なのです。そこから転じて、やさしく応答とか返礼、儀礼や親愛の言葉として使われるようになりました。

最近は、日常の挨拶が少なくなったように思います。日々の暮らしを円滑に過ごすためには、まず挨拶からですね。

『くらしの仏教語豆事典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)より引用

【お坊さんから一言】
西本願寺の境内でも「こんにちは!」と元気に挨拶をしてくださるお子さんや、やさしい笑顔で挨拶を返してくださる方に出会うたび、心があたたかくなります。来月から新生活を迎える方は緊張もあると思いますが、ぜひ自ら挨拶をしてみてください。きっと、周りの方々の心をあたたかくすることができますよ。

【前回のコラム】