2018年J1第28節 V・ファーレン長崎対川崎フロンターレ プレビュー「効率よく勝つのはどちらのチームか」

2018年J1第28節、川崎フロンターレの対戦相手はV・ファーレン長崎です。前回対戦時のレビューはこちらです。

V・ファーレン長崎の特徴は「効率の良い攻撃

V・ファーレン長崎の特徴は「効率の良い攻撃」です。

football-labのデータを分析すると、「ボールをどれだけ相手陣内に運べたか」を示す、1試合平均の30mライン侵入回数が34.7回でリーグ17位、ペナルティエリア内の侵入回数が11.4回でリーグ18位。このデータからは、V・ファーレン長崎が、ボールを相手陣内に運ぶのに苦労していることが分かります。

ボールを相手陣内に運び、ゴールに近い位置までボールを運べなければ、シュートチャンスを作り出したり、得点を決める確率は下がってしまいます。ゴールから距離が遠いほど、シュートが入る確率は下がるからです。

しかし、V・ファーレン長崎はシュート成功率だけなら、10.8%でリーグ4位。これは川崎フロンターレの9.2%を上回っています。攻撃する回数は少なく、ボールを相手陣内に運ぶ回数も少ないが、数少ないシュートを得点する確率は高い。つまり、「効率の良い攻撃ができるチーム」なのです。

ただ、攻撃する回数が少なく、ボールを相手陣内に運ぶ回数も少ないということは、相手に攻撃される回数が多く、自陣で攻撃を受ける回数も多いということを意味します。V・ファーレン長崎がシュートを決められる確率を示す「被シュート成功率」は、リーグ17位の11.9%です。V・ファーレン長崎としては、効率よく得点を挙げ、川崎フロンターレの攻撃による失点をいかに少なくするか注目です。

セットプレーで効率よく得点が奪えるか

川崎フロンターレとしては、シーズン通して課題となっている「シュート成功率」を高めたいところです。シュート成功率が9.2%でリーグ10位にとどまっている要因は、セットプレーからの得点が少ないからだと思います。

セットプレーについては、様々な方法を試し、工夫しています。キッカーを中村から下田に代えたり、谷口や小林にあわせるパターンではなく車屋や奈良にあわせてみたり、スクリーンを使ったりと、様々な工夫をしています。しかし、まだ解決策は見出だせていません。

一方で、直近の3試合でセットプレーからの失点はゼロ。第25節のガンバ大阪戦以降はセットプレーからの失点はありません。ここについては、何か改善を行ったのか、詳しく調べてみたいと思います。

セットプレーについては、直接フリーキックとコーナーキックの数をあわせて、チャンスは多くて10回だと思います。10回のチャンスのうち、1度でもよいので、得点できるか。この試合では、セットプレーが勝敗を分ける気がします。

セットプレーが勝敗を分けると考える理由が、川崎フロンターレはこの試合を中2日で迎えるからです。中2日で雨の中試合を行った選手たちのコンディションが万全だとは思いません。選手の中には風邪をひいてはいないまでも、普段と違う体調の選手もいるはずです。ロボットではないのですから、当然です。

もしかしたら、V・ファーレン長崎のほうが、優位に試合を進める試合になるかもしれません。川崎フロンターレがやりたい、ボールを保持して、相手を押し込み、得点を奪うような試合はできないかもしれません。でも、リーグ戦で優勝するチームは、そんな試合をきちんと勝てるチームです。

リーグで優勝する実力があるか、チームは試されています。

どんなコンディションでも、勝つのは当たり前。そんな試合ができるか。注目したいと思います。

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