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書評「バスケットボール戦術学 《1》 オフボールスクリーンをひも解く」

流通経済大学バスケットボール部ヘッドコーチの小谷究さんから献本頂きました。ありがとうございます。

近年のバスケットボールでは、ボールを持っている時のアクションだけでは、相手を攻略するのが難しくなっています。選手の技量やスピードやパワーが上がり、コート上のスペースが狭くなるなかで、いかに相手を外し、プレーしやすい環境を作り出すか考えるとき、ボールを受ける前に、相手から距離をとったり、相手の逆を取る動きだけでは、相手を外せなくなっています。

相手を外すためにバスケットボールで使われるのが、スクリーンプレーです。スクリーンという「ついたて」に相手をぶつけ、マークマンを外して、自分に優位な場面を作り出すプレーのことを「スクリーンプレー」と言いますが、ボールがない場面で使われるスクリーンプレーが「オフボールスクリーン」です。

本書「バスケットボール戦術学 《1》 オフボールスクリーンをひも解く」は、ボールがない場面で使われるスクリーンプレー「オフボールスクリーン」について詳しく書かれた書籍です。

サッカーでも「オフボールスクリーン」が重要になる

僕は普段はサッカーの映像ばかり観ているので、本書を読みながら「どうやったらサッカーに置き換えられるか」と考えていました。僕は「バスケットボールで起こることはサッカーでも起こる」と考えています。相手から距離をとったり、相手の逆を取る動きだけで相手を外せなくなっているのは、サッカーでも同じです。サッカーでは現在よい場所を見つけてプレーすることを踏まえた戦術がトレンドなのですが、どのチームもトレンドを取り入れているので、次第に行き詰まってくると予想しています。

バスケットボールでは「スペーシング」という言葉で表現されていますが、スペーシングを正確に実現するには、オフボールスクリーンの実行が欠かせません。サッカーでもセットプレーではオフボールスクリーンを活用しているチームがありますが、僕は通常のプレーでも、オフボールスクリーンを活用して相手を攻略する戦術を、そろそろどこかのチームが導入するのではないかと思っています。新たなサッカーの戦術を考えるのに、この書籍はヒントになる。読み終えてそんなことを感じました。

ぜひバスケットボールファンだけでなく、サッカーファンも読んで欲しい1朝つです。


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