【BNPLとは】BuyNowPayLaterをざっくり紹介
最近になり「BuyNowPayLater(BNPL)」という単語を耳にすることが増えました。おそらく日本でBNPLという単語を初めて聞いたのはこちらのニュースが多いのではないでしょうか。
スウェーデン発のBNPL事業者であり、記事が出た2019年8月時点では評価額55億ドル。凄まじい規模のベンチャー企業です。
「おおなんか凄い」って感じですよね。
「けどBNPLって何??」という方が大勢いるかなということで、BNPLについて紹介していこうと思います。
※本記事は全て無料でご覧になれますが、価値を感じて下さった場合は投銭頂けますと幸いです
1.BNPLって何??
BNPLとは、日本語で言えば「後払い」です。
BNPLというと少し難しく感じるかもしれませんが、実は既に日本ではずっと昔から存在するサービスです。
日本でも存在しているBNPL
日本ではすでに以下のようなプレイヤーが存在しています。
・ネットプロテクションズ社が提供している「NP後払い」
・GMOPS社が提供している「GMO後払い」
・Fintech業界で一躍名を馳せた「Paidy」
ではBNPLの流れをNP後払いのサービスサイトを引用しながら見ていきましょう。
STEP1:ECでの決済時に「後払い」を選択
STEP2:支払いをする前に商品が届く
STEP3:自宅に届いた請求書を使ってコンビニでお支払い
読んで字のごとく「商品が届いてから支払う=後払い」という決済体験です。
このクレジットカードを必要としないBNPLが、現在世界で流行しています。
2.世界のBNPLプレイヤー
BNPLプレイヤーをマッピングしたのがこちら。
マッピングはスタートの国を示しているだけで、その後の展開エリアについては記載をしていません。
こちらは今後各社を深ぼっていく中で紹介したいと思います。
一部有名どころを軽く紹介
Klarna
創業 :2005(スウェーデン発)
評価額 :$5,500million
地域 :ヨーロッパ,アメリカ,オーストラリア
投資家 :Permira , ant financial , sequoia , H&M , VISA
afterpay
創業 :2015(オーストラリア発)
時価総額:$15,280million(ASXで上場)
地域 :ヨーロッパ,アメリカ,オーストラリア
投資家 :LonePine , Tencent Holdings Limited , Mitsubishi UFJ Financial Group
Finaccel(Kredivo)
創業 :2015(オーストラリア発)
評価額 :$500million
地域 :インドネシア
投資家 :Asia Growth Fund, Square Peg,GMO VenturePartners
並んでいる投資家や評価額を見るとその注目度がわかります。
各社の評価額
Klarna(未上場)やafterpay(上場)は$1billionを超えている企業です。
Klarnaについて詳しく知りたい方はこちら
afterpayについて詳しく知りたい方はこちら をどうぞ。
3.ではBNPLがなぜ流行しているのか
ここから世界でBNPLが流行している理由について持論を。
大前提として決済は、ECの発展に引っ張られているとおもっています。
・BNPLも同様で、基本的に「カゴ落ち」を起点に発達している
※カゴ落ちとは自分にとって好ましい決済がないときに離脱すること
・クレジットカードだけでは対応できない「カゴ落ち」が発生することでMerchantは売上向上が見込めなくなる
・そこで決済の成長が始まりBNPLが生まれ、普及する
モバイルの発達によりEC市場拡大→決済がボトルネックに→決済の拡充 という一連の流れが世界で起きた結果と捉えています。
決済がボトルネックになる理由
より細かくみると、決済がボトルネックになる理由も大きく2つ存在すると思っています。
①クレジットカード離れ
②クレジットカードを持てない の2つです。
①世の中で起きているクレジットカード離れ
若い世代は支払いを先延ばしにする手段として、クレジットカードではなくBNPLを利用し始めています。
BigCommerceのレポート
ミレニアルやZ世代がクレジットカードを避ける理由は
・個人情報の過度な要求
・無利息期間の短さ
・高い金利 が挙げられる。
現在のオーストラリアのクレジットカード保有率は
2002年の58%から41%まで低下しているというレポートもあります。
結果としてクレジットカードの代替としてBNPLが選ばれています。
これらは先進国で起きている事象であり、インドネシアやインドではまた少し異なった背景からBNPLが発達していると捉えています。
②クレジットカードを持てない
ここでは新興国でECが急成長しているインドネシアのケースをもとに説明していきます。
事実として口座保有率とカード保有率が低いことが挙げられます。
2019年のローランド・ベルガー社による調査によれば
・銀行口座保有率は36%程度
・クレジットカードの保有率は2%
・スマートフォンの保有率は50%以上で月に1回以上ECを利用する人は40%
スマートフォンが普及するにつれECも成長しているのですが、銀行口座やクレジットカードの普及が非常に低いです。クレジットカードの審査がかなり厳しいということに起因しています。
クレジットカードが持てないことが原因となりECの「カゴ落ち」が発生し、多様な決済拡充の中でBNPLが生まれていると思われます。
欧米のようなBNPLではなく、本人確認などを必要とするBNPLとなっておりイメージとしては「既存の与信判断を改善したクレジットカード」のようなものとなっています。
インドは高額紙幣の廃止により口座保有率は非常に高くデビットカードも浸透したのですがクレジットカードが普及していません。審査通過率が低いと言われています。(ファクトなし)
インドではAmazonが現地企業と手を組みBNPLの提供を始めました。
4.BNPLの種類
長く話してきましたが、ECの拡大により各地で決済に関するニーズがうまれ、BNPLが発達してきている状況となっています。
私としては、現在のBNPLを以下のような形で整理しています。
それぞれの地域でクレジットカードでは満たせなくなった決済ニーズが生まれ、BNPLは発展してきていると言えます。
今後のAlt CreditCardとしての動向が非常に楽しみな分野です。
※日本は西欧とも新興国とも少し違っていると思っています。
「クレカ情報流出の恐怖」や「使いすぎへの不安」が多いためクレジットカード離れではなさそうです。
また、提供しているBNPLは各社違いがあります。
PayLater:15日や30日以内に一括払い
Installment:4回に分割払い
Long term Installment:6ヶ月以上などに渡って分割払い
こちらについては今後各社の説明をしていくなかでご紹介していきます。
今回は、「BNPLとは」「なぜ発達したのか」について自分の考えをつらつらと書かせていただきました。
今後は各プレイヤーの深堀りや、新規参入プレイヤーについて発信していければと思っています。
ありがとうございました。
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