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個展『徘徊』終了しました。

先週土曜で、2017年の個展は終了しました。来ていただいた方、気にかけてくださった方、皆さまどうもありがとうございました。ゆう画廊の志田さんには毎度お世話になって、本当にありがたく思います。

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今回の来客者数は6日間で141人でした。
友人とのダブル個展という形だった昨年は相乗効果もあり、250人以上の方が来てくれました。今年も200人以上と思ってましたが、一昨年の個展よりも少ない結果となりました。個人的には、過去の個展と比較して最も作品の完成度は高いと自負していたので、率直に残念です。

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展示全体の重いテーマを中和するためのこまちやカツヲの絵以外は、全て福島を描きました。介護施設の利用者16人の似顔絵作品についても、「故郷に帰れない」という点で避難区域の人々と共通するところがあると考えています。今までも福島をテーマに作品は描いてきましたが、ほぼ全てそれをテーマに描いたのは今回が初めてです。個展最終日の土曜、片付けを終えて帰る電車のなかで、「福島を描く作家」としての覚悟を問われたように感じ、グッと来るものがありました。再来年3月の金沢21世紀美術館でのもやい展に向けて、この展示がスタートになると思います。

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過去に福島を描いた絵本を制作した際は、絵が稚拙だったことも含め、「これ描いてて楽しい?」と言われたことがありました。他にも否定的な反応があったこともあります。アートはエンターテイメントと考え、社会問題とは完全に切り離して考える人もいます。しかしエンターテイメントだからこそ、多くの人の心に刺さるとも思います。今回来てくれた人たちと話すなかで、福島についての認識がとても少ないのが印象的でした。帰還困難区域の存在を知らない人がいました。また逆に、必要以上に恐れる人もいました。入ってくるなりキャプションを読み、こちらを見てニヤリと笑い作品を見もしないで帰っていく人もいました。そういった人たちに、難しい論文や記事ではなく、アートによって伝えていくことは出来ないでしょうか。

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汚染されてしまった福島。美しい福島。その両方を描くことで、少しでも見た人に考えて欲しい、そう考えて絵を描きキャプションを作りました。僕の個展を通じて、様々な人々が舫う(もやう)キッカケになればいいと思います。
どうもありがとうございました。

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