【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その6 すっかり何もなくなった大野駅前】
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前日、2月3日の富岡以北での積算線量は、2時間ほど屋内にいたこともあり、約7時間強で1.65μSvと非常に低かった。双葉の前田地区は山寄りの場所を除けば比較的線量が低めなのはわかっていたが、ここまで下がっているとは思わなかった。ただ、それでも1時間平均では0.2μSv/hを上回り、首都圏よりは2〜3倍は高い。
2日目の2月4日は、朝5時に起きて大熊町へ向かう。いわきから双葉、大野方面の風景も、もはや見飽きてしまった。
朝7時に大野駅到着。そこからまずは西口へ向かい、かつての大野銀座の変貌ぶりを確認する。
建物の解体はおろか、もはや道さえも姿を消してしまって、震災前の面影はどこにもない。ここに商業施設と住居を建設するというが、果たしてそんなハリボテの町に一体どれだけの人が暮らすのだろう。故郷の面影の消えた町に帰還した人は何を思うのか。双葉町の復興住宅のような、移住者だけを想定した住居に、郷愁の想いはどれだけ癒されるのだろうか。
大野銀座の変貌を確認した後は、再び駅を通って、東口へと降り立った。この日は夜ノ森駅まで六国を縦断して行く予定。
東口に降りて最初に気付いたのは、駅の目の前の大野児童公園の変貌だった。遊具がすっかりなくなっている。呆然としながら公園の敷地に近づくと、以前と同様にググッと空間線量が上がった。公園敷地内を大雑把に歩いて測ってみたが、おおよそ1.0〜2.0μSv/h。「児童公園」にはあるまじき線量の高さだ。ここもやがては更地になるのだろうか。除染という観点では確かにそれが望ましいのだが、除染=破壊にも見えて、どうにもやりきれない気持ちにもなる。
大野児童公園を写真に収めたのち、中央台へ向かう県道252号線へ。かつての大熊中学校が更地となり、太陽光パネルが並ぶと聞いていたので、それを確認するために向かった。
途中、大野駅北側の橋を渡り、建設が始まった商業施設を確認しに行く。すっかり様子が変わった町の姿に、「復興」を感じるよりも先に大きなため息が出た。
そこまで歩いて、ふと近くにある「未除染の場所」を思い出す。以前は6.0μSv/h以上あった場所。今も未除染のまま放置されてるのだろうか。確認したいと思い、そちらへと足を運ぶことにした。
<続く>
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