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厚労省・受講無料の介護従事者向け「デジタル・テクノロジー基本研修」来週火曜開講

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和5年11月20日(月)第1108号*****

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厚労省・受講無料の介護従事者向け「デジタル・テクノロジー基本研修」来週火曜開講
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 厚生労働省は先週金曜(11月17日)、都道府県・市区町村の自治体や、介護関係の業界団体に宛てて「生産性向上中核人材育成プログラム『デジタル・テクノロジー基本研修』の周知及び受講勧奨のお願い」と題した、事務連絡文書(通達)を発出した。

 政府は近年、様々な産業分野における「デジタル化」を進めているが、介護現場でも厚労省が「介護分野における生産性向上への取り組み」を、今後の介護保険の制度改革の重要課題として掲げている。

 その中でも今回は、その「生産性向上への取り組みを推進できる中核人材の育成」を目的として「デジタル・テクノロジー基本研修」を、実施主体となる公益社団法人日本介護福祉士会が、厚労省の「令和5年度老人保健健康増進等事業」として行う=画像は日本介護福祉士会HPより

 受講は、現在勤務している介護事業所が「介護ロボット等を導入しているか」「研修をオンライン(動画視聴=個人学習)のみで受けるか、対面の面接授業(=集合研修)も希望するか」等の条件により、大きく4タイプに分かれ、計10コースが用意されている。

 なお「研修」への参加は、実施主体である日本介護福祉士会の会員である必要はなく、10コース全てが無料で受講できる。なお、10コースのうち最初の研修(オンライン)は、来週火曜(11月28日)に開講する。

 日本介護福祉士会では「『介護現場の生産性向上』や『業務改善』は、トップダウンで強制的に行われるのではなく、現場サイドからのボトムアップで進んでいく必要がある」

 「日常業務や利用者さんの状態、施設設備や備品、介護職チームの状況など、現場の状況を最もよく理解している現場スタッフが自発的に取り組まない限り『高額な機械を導入したけれど、使い勝手が悪く活用していない』」――。

 「『テクノロジーによって業務負担が増えた』といった悪循環に陥ってしまう事態にもなりかねない。こうした思いから当会では、介護現場の業務改善をリードできる人材を育成するための『研修』を開発した」等と述べている。

 「研修」の内容等は、日本介護福祉士会ホームページ=https://www.jaccw.or.jp/news/6235=まで。なお、受講申込と受講は、同会の研修管理システム『ケアウェル』を使用(無料)する。「研修」の概要は、次の通り。

 ■目的=介護現場における生産性向上の方策のひとつとして、介護ロボット・ICT等を効果的に活用し、より質の高いケアを実践できる介護職員を養成する。

 ■日程=今月11月~来年(2024年)3月まで。ただし、コースにより期間は異なる。申込みはコース単位になる。なお、コースごとに定められたすべての研修日程を受講することが必要となる。

 ■対象=介護現場での実務経験が3年以上あり、自職場での業務改善や介護ロボット・ICT導入に取り組みたいと考えている介護従事者。

 ■費用=無料。

 ■受講=申し込みと受講は、日本介護福祉士会の研修管理システム「ケアウェル」を使用する。登録と使用等は無料。同会の非会員は「ケアウェル」利用登録の後に、研修の受講申込が可能となる。

 受講は「ケアウェル」にログイン後、トップ画面に表示されている「研修メニュー」から、希望するコースを選択して申し込む。

 ■学習方法=オンデマンド動画による「個人学習」と、グループワークを中心とする「集合研修」の2種類で、コースにより組み合わせが異なる。なお、全10コース中6コースは「個人学習」(=オンデマンド)のみの受講になる。

 「集合研修」は全国4ヶ所=「大阪会場・12月7日・大阪マーチャンダイズマートビル(大阪OMMビル)」「北海道会場・12月13日・TKP札幌駅カンファレンスセンター」「富山県会場・2月13日・富山県民会館」「福岡県会場・3月4日・TKP博多駅前シティセンター」=で行う。

◇─[後記]─────────────────

 この欄でも何度か述べていますが、弊紙としては介護現場のICT化を進めることに異論はありませんが一方で、今後の介護従事者の処遇改善に「要件」として組み込まれることには「反対」との立場を取っています。

 そうは言っても「まずは、介護業界のデジタル化って何をするんだ?」との疑問が頭の中で思い浮かぶ間は、事の是非の判断はできません。しかも、今回の研修の主目的は「業務効率化」です。

 受講料は無料ですので「食わず嫌い」にならず、まずは「デジタル化への扉を開いてみる」ことではないかと、弊紙では考えます。

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