自分が7日間ファスティングをやったら体組成はどうなるシミュレーション

最近立て続けに知人から「ファスティングをやった」や「やろうと思ってます」という話を聞きます。みなさん「準備2日、断食3日、復食2日 の7日間プログラム」の断食のことを言っているようです。

私は、筋トレ歴4年。欠食によって筋肉を落としてしまうのは嫌なのですが、胃腸のリセットのために、24時間ファスティングを年に数回やります。そこそこしんどいですが、爽快感があり調子が非常によくなります

では「ダイエット方法」としては、自分にとって有効なのでしょうか?

「ダイエット検定2級」の知識を使って、自分が7日間ファスティングを行った場合のシミュレーションをしてみました。

§1. Beforeの体組成と代謝量

体重65.0kg 体脂肪率18.5% 体脂肪量12.0kg
基礎代謝量 1460kcal(全く動かない状態での消費カロリー)
活動指数 1.4
活動代謝量 = 1460kcal × 1.4 = 2044kcal(1日の消費カロリー)

§2. カロリー収支でシミュレーションします

7日間の消費カロリーと摂取カロリーの収支から、体組成(筋肉量と体脂肪量)の増減を計算するというシンプルなシミュレーションを行います。

急激な栄養失調による代謝の低下、ホメオスタシス、私が知らないファスティングの魔法のようなパワーなどは、難しくなるので加味しません。

あくまでザックリとした掛け算と引き算です

§3. ファスティング期間中の消費カロリーは14300kcal

§1.で算出した通り、私の1日の消費カロリーは2044kcal。
単純に7日を掛けて、14300 kcal となります。

7日間での消費カロリー
2044kcal × 7日 ≒ 14300 kcal 

§4. ファスティング期間中の摂取カロリーは..

4-1. まず体内のグリコーゲンから消費される
普段は糖質制限をしない食生活なので、糖質がグリコーゲンという形で体内に蓄積されているはずです。ザックリ言うと最初にこのグリコーゲンがエネルギーとして消費されます。肝臓に100g、筋肉に300gのグリコーゲンが蓄積されているとして、合計400g。
グリコーゲン1gあたり4kcalの熱量を持つので、1600kcalを保持していると言えます。

グリコーゲンとして体内に保持されていたカロリー
400g × 4kcal = 1600kcal

これは厳密には「摂取」とは言えないのですが、簡略化のため摂取カロリーの一部と考えることにします。

4-2. 準備期(2日間)
やったことがないので、2日間でどれくらいの食事をするのかわからないのですが、なんとなく1日あたり500kcalくらいかな..?と仮定します。

準備期(2日間)の摂取カロリー
500kcal × 2日間 = 1000kcal

考えただけでお腹がすいてきました。

4-3. 断食期(3日間)
断食なので、当然摂取カロリーはゼロです。
酵素ナントカを飲む方法が流行っているようですが、私がやる場合は飲みません。自分ではエビデンスを確認できていないので。

断食期(3日間)の摂取カロリー
0kcal × 3日間 = 0kcal

4-4. 復食期(2日間)
やったことがないので、これまた2日間でどれくらいの食事をするのかわからないのですが、ネットで調べた感じだと、炭水化物を摂り始めるようなので、1日目300kcal、2日目600kcal くらいかな。

復食期(2日間)の摂取カロリー
300kcal + 600kcal = 900kcal

§5. ファスティング期間中のカロリー収支は「マイナス10800kcal」

さて、上記で算出されたカロリーを足し引きしてみましょう。

+1600kcal(グリコーゲンとして体内に保持されていたカロリー
+ 1000kcal(準備期の摂取カロリー
+ 0kcal(断食期の摂取カロリー
+ 900kcal(復食期の摂取カロリー
- 14300kcal(7日間の消費カロリー
────────────────────────
= マイナス 10800 kcal

§6. ここからが大事!カロリー不足は体組成を消費して補われる

カロリー収支がマイナスになっても、人間は体内でエネルギーを生成します。そうしないと臓器が停止して死んでしまいます。
実際は下記のようなプロセスでエネルギーが生成されると考えられます。

6-1. 筋肉をエネルギー源にする(糖新生)
筋トレが趣味の私にとっては非常に残念なのですが、下記のようなプロセスがあります。

筋肉 → [分解] → アミノ酸 → [肝臓] → 糖エネルギー

6-2. 脂肪をエネルギー源にする(ケトン生成)
みんなが「有酸素運動ダイエット」をやるうえで認識しているプロセスです。簡略化すると下記のようになります。

体脂肪 → [分解] → 脂肪酸エネルギー

6-3. 問題はこれらの「比率」
つまり、エネルギーの原料として「筋肉」と「脂肪」が消費されるのですが、この比率が問題です。誰もが「筋肉は減らさず脂肪を減らしたい」と思っているはず。しかしそういうわけにはいかず、両者の消費が同時進行します。

かつ、この比率は人によって違うので、正直「やってみないとわからない」要素だといえます。

私の場合は筋トレをやっています。これまで何度も「減量期」を経験しており、なんとなく「1:2」つまり「筋肉33%:脂肪67%」だという感覚があります。
あくまで感覚に基づく仮説なのですが、その比率を採用します。

§7. いよいよ筋肉と脂肪の増減をシミュレーション

§5でシミュレーションしたように、ファスティング期間中のカロリー収支は10800kcalのマイナスです。
§6で仮定したように不足カロリーは、

33%(3600kcal)を筋肉の分解(アミノ酸)で補う
67%(7200kcal)を脂肪の分解(遊離脂肪酸)で補う

とします。

アミノ酸は1gあたり4kcalの熱量を持っています。
脂肪酸は1gあたり9kcalの熱量を持っています。

それを元に、筋肉と脂肪の消費量を計算してみましょう。

筋肉の分解(アミノ酸)
3600kcal ÷ 4(kcal/g) = 900g(つまり0.9kgの筋肉が消費される)
脂肪の分解(遊離脂肪酸)
7200kcal ÷ 9(kcal/g) = 800g(つまり0.8kgの脂肪が消費される)

すごくキリのいい数字になっていますが、たまたまです。

§8. ファスティング直後の体組成はどうなる?

ファスティング前の体組成を§1から、再度引用します。

体重65.0kg 体脂肪量12.0kg 体脂肪率18.5%

8-1. ここでグリコーゲンの消費を思い出してみよう
§4-1で、まずは体内のグリコーゲン400gが消費されると書きました。当然、この重量が減少となります。加えて、グリコーゲンは1gあたり3gの水分を体に引き込むので合計すると、1.6kgの減少となります。

-400g(グリコーゲン)- 1200g(水分)= -1600g

しかしこの1.6kgの減量は筋肉量または体脂肪量が減ったわけではないので、通常の食事に戻すと、すぐに増量します。
みなさんが「リバウンド」と思っている、要素の一つです。

8-2. 体重はどうなる?

65.0kg(Before) - 1.6kg(グリコと水分) - 0.9kg(筋肉の消費) - 0.8kg(脂肪の消費)
= 61.7kg (3.3kg減)

上記の計算でAfterの体重は、3.3kg減の61.7kgとなりました。

8-3. 体脂肪率はどうなる?
下記の計算で、18.15% と算出されました。
Beforeと比較すると、18.5 → 18.15%
わずか、0.35ポイント減です。

体脂肪量
 12.0kg(Before) - 0.8kg(脂肪の消費) = 11.2kg
体脂肪率
 11.2kg(体脂肪量) ÷ 61.7kg(Afterの体重) = 18.15%

§9. ファスティング数日後の体組成はどうなる?

大事なのは、直後ではなく数日後の体組成です。

ファスティングの教科書通りに、数日間掛けて緩やかに通常の食事に戻したと仮定すると、§8-1で述べた「グリコーゲンと水分」の1.6kgが戻ってきます。カロリー摂取にも気を遣い、いわゆる「リバウンド」を起こさないと仮定すると下記のようになります。

After直後から増えていない体脂肪
 11.2kg
少し戻った体重
 61.7kg(Afterの体重) + 1.6kg(戻ってきたグリコーゲンと水分) = 63.3kg
体脂肪率

 11.2kg ÷ 63.3kg = 17.7%

§10. まとめ!私はどうする?

あくまで机上の空論です。シミュレーションです。
ただの掛け算と引き算です。それを前提したnoteです。
7日間のファスティングから数日後の、私の体組成変化のシミュレーションのまとめです。

体重
 65.0kg → 63.3kg 1.7kg減
体脂肪量
 12.0kg → 11.2kg 0.8kg減
筋肉量(除脂肪体重)
 0.9kg減
体脂肪率
 18.5% → 17.7% 0.8pt減

1週間で 体脂肪率 18.5% → 17.7% くらいなら、軽い食事制限と筋トレ、HIITの組合せで落とせそうな気がする・・・・

「やめとく。」
筋トレやってもなかなか筋肉が増えない年齢になってきました。
0.1kgの筋肉量を増やすのも一苦労です。
そんな中、1週間で0.9kgの筋肉をロスするのはあまりにも辛い。

ファスティングを「ダイエット法」と考えず、冒頭で述べたように「胃腸のリセット」と考えて、これまで通り24時間のファスティングに定期的に取り組むような付き合い方をしようと思います。

おわり。


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