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白水社が神保町ブックフリマ呼びかけ!出版社など10社が参加を表明

東京・神保町で10月下旬を中心に毎年開催されていた本のお祭り「神保町ブックフェスティバル」「神田古本まつり」が新型コロナウイルスの感染拡大防止で今年の開催を中止したことを受けて、東京・神保町などに社を構える出版社や書店などの有志が10月31日・11月1日の2日間、「神保町ブックフリマ」と題して自社社屋などで独自のブックセールを開催する。

11社で開催!他の出版社のスペースに共同出展も

参加するのは、白水社、亜紀書房、CUON(クオン)、本の雑誌社、幻戯書房、彩流社、皓星社、誠文堂新光社(オンライン参加)、青弓社、共和国、内山書店の11社(10月28日現在)。

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発端となったのは、白水社の営業・宣伝部の小林圭司部長が10月16日に同社ツイッターアカウントに上げた「つぶやき」。「読書の秋なのに古本まつりもブックフェスティバルもない神保町なんて寂しすぎる………」とし、自社社屋でガレージセール「神保町ブックフリマ」を開催すると宣言した。

すると、本の雑誌社や亜紀書房、CUONなど、神保町に社を置く出版社らがツイッターで続々と参加を表明。神保町に社屋のない出版社も、他社に相乗りする形で参加を宣言した。

同フリマの発案者である小林氏は今回の企画について、「新型コロナウイルスの影響で今年は、イベントなどを通じた読者との交流が途絶えている。以前に他の出版社が社屋を使った本のお祭りを開催していたことを思い出し、自社の入口のスペースで自ら本を販売しようと考えた」と話す。

サイン本を定価販売、汚破損本やグッズは割引で提供

参加各社はこの2日間、社内や社屋が入るビルの1階スペースなどを使って自社本やオリジナルグッズなどを販売する。販売価格は各社によって異なるが、サイン本などの定価販売のほか、神保町ブックフェスティバルの時のように、汚破損本などの値引き販売を検討している。

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▲白水社では1階スペースを使って本を販売。段ボール30箱分の本を用意

白水社は、社屋1階の集品カウンターと駐車場を活用し、神保町ブックフェスティバルの時と同様に、汚破損本や絶版本などを7割引きで販売するほか、既刊本の割引販売も検討している。

亜紀書房では定価販売のサイン本コーナーと1,000円均一コーナー(汚破損本など)をメインに、束見本やポストカードなども販売する。本の雑誌社は北村薫さんや内澤旬子さん、高野秀行さんなどのサイン本(定価販売)のほか、トートバッグとサコッシュ、布製文庫ブックカバーなどのオリジナルグッズを2~3割ほど割り引いて販売する予定だ。

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▲亜紀書房では1階スペースを使って本やグッズを販売する

CUONは10月31日のみの参加。運営する喫茶店・CHEKCCORI(チェッコリ)店内で自社の汚破損本を割引販売。そのほか、皓星社、青弓社、共和国は彩流社の倉庫スペースを共同利用して出品・販売する。誠文堂新光社は直販サイト「誠文堂の直売所」でサイン本や訳あり本を2日間限定で販売する。

イベント中止に「我慢の限界」「読者と触れ合いたい」

本の雑誌社営業部の杉江由次部長は「今年は、コロナ禍で全国各地で開かれていた本の販売イベントのほとんどが中止になってしまった。しかし、もう我慢の限界。早く、読者と触れ合い、本や作家さんの話を伝えたい。今回のイベントでは、出版社の作業現場を見ることもできるので、きっと読者にとっても楽しめる企画になると思う」と話す。

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