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紺野キリフキさんはどこへ?

長年積ん読しておいた文庫本『はじめまして、本棚荘』を引っ張り出して読んでみた。実は今度ブックオフが引き取りに来るので、つまらなかったら出しちゃおうかなぁなんて思ってさ。

ところがどっこい、面白いじゃないの、この本!

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昔はねぇ、お家賃というのは本で払ったものですよ
「本」
「ええ、本」
大家さんはそんなことを言った。
まっすぐわたしを見つめて、お家賃は本でもって支払っていたのだ、と彼女はそう言う。
「だけど今の若いひとってあまり本を読まないでしょう。だからわたしも、しかたなくね、近頃は現金で頂くことにしているの。」
(「はじめまして、本棚荘」より抜粋)

こんな出だしで始まるのだけど、意外と本は話の大筋には関係なかったりする。元のタイトルは「とげ抜き師」らしく、そっちの方が内容に合ってる。でもタイトルが「とげ抜き師」だったら、買ってないから、そこは微妙なところだね。
たぶん、そう考えた編集者が付けたタイトルだと、勝手に想像している。

とにかく私好みの奇妙で面白い本だったので、ブックオフに売り払うのはやめにして、もっと他の本も読んでみたくなったの。

ところが調べたら、この本以降1冊も出版されてないことが判明。しかも、この本以前に出版されたのも2冊きり。

あれれ??私には確かな記憶があるんだけどな。
それは、本屋さんで「あ!本棚荘の続き出たんだ」っていう記憶。。。

これ作り話じゃないよ。本当なの。昨日丸善に行って、調べてもらったくらいだもん。でも、やっぱり全部で3冊以外出版されてなかった。

こんなに面白いのに。紺野キリフキさんは一体どこへ行ってしまったの?
誰かご存じないですか?