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日本の教育業界のDXは遅れている?

こんにちは。ITコンサルタントのozaです。

私はキャリア10年超の勤め人で、こちらのnoteでは言語・旅行・海外調査などをテーマに発信しています。英語は得意で20代半ばには英検1級、TOEICスコア960を取得しています。

いつも言語学習に関する投稿が多いですが、今回は関連する教育全般に関するテーマを含めて投稿します。

題名のDXはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語ですが、デジタル技術を使って業務やビジネスそのものを変革することを指します。現在のDX時代に、教育業界では何が起きているのか、何が遅れているのか、について考えてみます。

教育業界におけるICT活用の現状について

はじめに断っておくと私自身は教育業界の関係者ではなく、業界の内情に精通しているわけでもないですので、あくまで各種調査やデータからの解釈を行っています。

2020年3~4月頃から新型コロナ感染症の急激な拡大に伴い緊急事態宣言が発出され、一気に教育機関におけるオンライン授業化が進んでいきました。

しかしながら、OECDの調査で明らかなように、「コンピュータを使って宿題をする」や「学校の勉強のために、インターネット上のサイトを見る」といった学校外での平日のデジタル機器の利用状況はOECDを大幅に下回る惨憺たる結果となっており、学校内でもデジタル機器の利用が進んでいないことを推し量ることができます。日本の教育界は変化するモチベーションに乏しく昔ながらの教育がつづいており、世界標準では日本の教育のICT化の度合いはOECD中で最下位という状況です。

一方で、一筋の光明が見えるのは「ネット上でチャットをする」や「1人用ゲームで遊ぶ」「多人数オンラインゲームで遊ぶ」といった設問で、OECD平均を上回る利用状況となっています。チャットやゲームとは言え、デジタル機器に慣れ親しんでいるということは良いことだと思います。

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(出典: 文部科学省「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2019)のポイント」)

日本社会が目指す姿

教育は日本社会が目指す姿を形作っていく礎となるわけですが、現在の日本の教育はそれを実現するために必要なことを行うことができているのでしょうか。

第5期科学技術基本計画(平成28~平成32年度)においては、下記の現状認識が記されています。

現状について、ICTの進化等により、社会・経済の構造が日々大きく変化する「大変革時代」が到来し、国内外の課題が増大、複雑化する中で科学技術イノベーション推進の必要性が増していると認識

そして、4つの目指すべき国の姿が掲げられています。

1. 持続的な成長と地域社会の自律的発展
2. 国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現
3. 地球規模課題への対応と世界の発展への貢献
4. 知の資産の持続的創出

このうち1.では新しい価値やサービスが次々と創出される「超スマート社会」を世界に先駆けて実現するための一連の取組を更に深化させつつ「Society 5.0※」として強力に推進する旨を謳っています。
※ サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会。

その「Society 5.0」を実現するための教育が「学校3.0」です。学校1.0は「勉強」の時代、学校2.0は「学習」の時代、そして学校3.0は「学び」の時代です。学校1.0では教育のリソースを学校が独占していましたが、学校2.0では能動的な学び手が育成され、学校3.0では能動的な学び手に対して、公教育は学びのまとめ役(ラーニング・オーガナイザー)として実社会とのつながりを活かしながら「学び」をデザイン・プロデュースしていくことが求められています。そして「教育改革2020」では、学習指導要領が変わり、英語やプログラミング教育が強化されました。

これによって小中高の教育はICT化に向けて徐々に歩みを進めていくことになりそうですが、それでもなお日本の大学はまだまだICT化がほとんど進んでいません。インターネット上で講義を受講できる「MOOC(ムーク:Massive Open Online Course)」と呼ばれるオンライン講座は海外ではかなり普及しています。それ以外にKahn Academyといった民間のICT学習コンテンツも豊富にそろっています。翻って日本を見てみると、大きく後れを取っているのが現状だと思います。

語学学習のオンライン化が必要

長くなりましたが実はここからが本題です。
英語などの語学学習についても、ICT化やオンライン化が全く進んでいないのが現状ではないでしょうか。基本的な文法などについて学校の先生に指南をしてもらうことも大事なことですが、それだけでは語学力は上達しません。外国の人々との交流を年に一回行うだけでも全く不十分だと言えます。

必要なのは日常的なコミュニケーション

可能であれば毎日、最低でも週に一回は外国語で会話を行い、友人のように日々の出来事や悩み・悦びを共有し合うことだと思います。
オンラインのメリットは、様々な国の様々な職業の人たちとの対話ができるということだと思います。そして日本全国どこからでも世界の隅々の様々な人々とリアルタイムかつ安価に自宅や学校から安心して話をすることができます。

おわりに

これまで学校教育で英語を学んできた人は結局は基本的な会話すら満足にできない方が9割9分ではないかと思います。わたし自身、テストの点数は高かったものの社会人になるまで外国人を目の前にして「How are you?」すら満足に話せませんでした。しかし、今の子供たちが学問や仕事に役立てるだけでなく、趣味として言語を学び、より世界をエンジョイする手段を増やすことができると思います。

皆さんもぜひ一緒に英語を始めとした外国語を学ぶことで、一度きりの人生をより楽しみましょう。

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